食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • SNPチップ検査は消費者にがんリスクについて誤解させる

ScienceInsider
SNP Chip Tests Can Mislead Customers About Cancer Risks
5 November 2010
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2010/11/snp-chip-tests-can-mislead.html?etoc
家族歴から計算したがんリスクとSNP検査によるがんリスクを比較したところ、しばしば異なる。
いくつかの企業が個人のゲノムスキャンでSNPを同定して病気になるリスクを予想すると宣伝しているがその有用性には疑問がある。オハイオ州クリーブランド診療所のBrandie Heald Leachと Charis Engががん患者またはがん家族歴のある22人の男女とその配偶者の合計44人について、SNP検査企業Navigenicsに診断を依頼した。一方各個人の家族歴等から女性の乳がん、男性の前立腺がん、大腸がんのリスクを計算した。
家族歴による計算及びNavigenicsの結果で、どちらもがんリスクが中程度または高いと判断された割合は40%と同程度であったが、結果が一致したのは半分だけだった。さらにNavigenicsは遺伝性の大腸がん遺伝子突然変異を持つ明確な高リスク患者を普通または中程度と判断した。これは驚くべきことではなく、Navigenicsはよく知られた遺伝性のがん遺伝子を検査対象にしていないからである。しかしそのような知識は遺伝学者にはあっても患者や一般的医師にはない。
国立ヒトゲノム研究所のGreg Feeroも個人のがんリスク評価には家族歴がゴールドスタンダードであり、現行のSNP検査は実質的には意味がない、と述べている。

  • DDTへの歪んだ見方

A distorting take on DDT
Amir Attaran
The Lancet, Volume 376, Issue 9752, Page 1532, 6 November 2010
知っていることと、それを語ることは違う。映画3 Billion and Countingは、DDTに関する医学的間違いや反対キャンペーンについて伝えようとしているが、その語り口は良いものとは言い難い。この映画は中庸に欠け、DDTの効果を過大に主張している。
(Amir Attaranはこの映画の作成にあたりインタビューを受けたが、映画作成者との合意でインタビューは映画には使われていない)

  • オーガニック野菜は「通常食品より健康的、ではない」

Telegraph
Organic vegetables 'no healthier than conventional food'
05 Nov 2010
http://www.telegraph.co.uk/foodanddrink/foodanddrinknews/8110680/Organic-vegetables-no-healthier-than-conventional-food.html
大学の研究によればオーガニック野菜はそのプレミア価格にもかかわらず慣行栽培より健康によいことはない
Journal of Agricultural and Food Chemistryの論文を紹介している記事
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20101104#p10の件
他independentなども報道