食品安全情報blog過去記事

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EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より

Danish researchers finally solve the obesity riddle
24-Nov-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-11/uoc-drf112310.php
New England Journal of Medicineに発表された、肥満予防・治療のための最適の食事を探る大規模無作為研究Diogenesの結果。ヨーロッパの772家族が参加し、そのうち成人938人、子ども827人。過体重の成人は8週間800kcal/日の食事にして平均11kg減量した。その後5種類の低脂肪食に割り付け6ヶ月経過を観察した。5つは低タンパク質高GI、低タンパク質低GI、高タンパク質低GI、高タンパク質高GI、対照群(現行の食事助言に従う、GIについては言及しない)である。最も成績が良かったのは高タンパク質低GI群。
子どもの結果は別の雑誌に発表され、特に指導されたわけではなく親の食生活に従った。高タンパク質低GI食の家庭の子どもの過体重率が低下した。
Diets with High or Low Protein Content and Glycemic Index for Weight-Loss Maintenance
N Engl J Med 2010; 363:2102-2113
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1007137
エディトリアル
Weight-Loss Maintenance — Mind over Matter?
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe1011361
限界として、期間が短いこと、実際の体重の差が2kgと現実的にはあまり意味がないことを指摘。
他の論文の結果と併せて、炭水化物と脂肪の比は低GI食の体重管理にとってはあまり重要ではなく、タンパク質を多く摂ることにメリットがあるかもしれない。また減らした体重を維持するにはそれがどのような食事であれ、内容よりそれを続けられるかどうかの方が重要であるようだ。
(プレスリリースのタイトルは誇大広告だと思うのだが)

  • シーフードの重金属:研究所間比較で満足できる結果

Heavy metals in seafood: Satisfactory results of interlaboratory comparison
24-Nov-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-11/ecjr-hmi112410.php
29か国57研究所が計測能力試験に参加した。各研究所に重金属濃度未知のサンプルを送り、EC JRCに報告してもらった。
57施設全てから結果が報告され、80%-96%だった。ヒ素の含量を低く推定する傾向があった。無機ヒ素のばらつきが大きかった。
報告書
IMEP-30: Total arsenic, cadmium, lead, and mercury, as well as methylmercury and inorganic arsenic in seafood
http://irmm.jrc.ec.europa.eu/news/Documents/IMEP_30_report.pdf
参加したのはEUから45、それ以外14で、オーストラリア、中国、香港、ニュージーランドノルウェー、フィリピン、シンガポール、スイス、トルコ、米国などがあるが日本は入っていない。