食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

あなたの食事はどこから来た?それを知らせるアプリがある・・

Where's your dinner from? There's an app for that...
Andrew Wadge on 25 November 2010
http://blogs.food.gov.uk/science/entry/traceability
トレーサビリティは食品の安全にとって携帯電話のようなもので、それなしにはどう管理していたのか思い出せない。
英国で食品の事故が発生したとき、その製品がどこから来てどこへ行ったのかを追跡できることが事故対策には必須の部分である。米国やカナダには企業にそのようなチェックを義務づける法律はなく、企業の自主的投資はあまり盛んではない。しかし北米でおこった最近の卵のサルモネラ汚染やホウレンソウの大腸菌汚染のような大規模事故を見ると、企業がトレーサビリティに投資したがらないのは不思議である。トレーサビリティは消費者を守るために問題をより早く同定し分離して、回収対象を少なくして企業への損害も小さくするだろう。
トレーサビリティシステムが広く浸透していない一方で、北米では別の分野で我々を追い越して日本で使われている新しいマーケティング戦略に飛びついているようだ。食品表示にハイテクシールを使ってスマートフォンでスキャンすると収穫時期や屠殺日時や農薬使用、産地、生産者などの詳細情報が得られる仕組みである。
食品安全の観点からは我々は負けるわけにはいかない−情報は多い方がよい。しかし英国の消費者は詳細なトレーサビリティ情報を入手できる製品に余分なお金を払うだろうか?我々の消費者調査では一般的に答えはノーである。しかし市場にギャップがあるところでは・・・。
(引用されているのはカナダの記事
What's on your plate? Canada lags in tracing food for safety and profit
Nov. 22, 2010
http://www.theglobeandmail.com/news/national/time-to-lead/global-food/whats-on-your-plate-canada-lags-in-tracing-food-for-safety-and-profit/article1807777/%20/
例示されているのは和牛のトレーサビリティシステム。日本がかなり特殊な国であることが記載されている。本来トレーサビリティは管理するための道具であって、消費者が確認する必要があると考えているのは不信が大きいから。安全には関係のない情報が消費者を惑わせることと嵩む費用がデメリットになる。現時点で和牛の番号見て確認している人ってどのくらいの割合なんだろうか?)