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植物種子、何でも生で食べると異変が生じる!

食品基準課 2011.04.28
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&pageNo=2&seq=14924&cmd=v
食品医薬品安全庁は最近健康法と称していろいろな種類の種子を生で食べる事例が増えているが、一部の植物性種子は自然毒を含むので注意が必要であると呼びかける。
種子は特性に応じて薬用としてのみ使うか、毒をとり除いてから食べなければならない。
植物種子は脂肪(不飽和脂肪酸)、タンパク質、 炭水化物、ビタミン、ミネラルなど栄養素を含むが、自然毒素を含む場合がある。
銀杏はシアン(青酸)配糖体とメチルピリドキシンという毒性物質を含むため必ず炒ってから食べなければならないし、大人は一日 10個未満、子供は 2~3個以内にすべきである。
※ シアン(青酸)配糖体: そのものは有害ではないが, 酵素によって分解されシアン化物を生成する。たくさん摂ると死亡することもある。加熱すれば酵素が不活性化されるためシアン化物が生成できなくなる
※ メチルピリドキシン : 一度にたくさん摂ると意識を失ったり発作を起こし、重症だと死亡することもある(加熱しても毒性はなくならない)
青梅(果肉含む)は青酸配糖体を含むのでお酒につけるとか砂糖に漬けるなどして青酸案配糖体を分解させた後取らなければならない。
亜麻仁は水に長期間つけて消化させた後何回も洗浄したりごまを炒めるように(200℃, 約 20分) 炒めて青酸配糖体をとり除いたり酵素を不活性化させてから食べなければならない。また 1回 4g, 一日 16g(約 2さじ) 以上摂ってはいけない。
さらに食用してはならない植物性種子原料としては、杏仁と桃仁は薬用としてのみ使うことができ、青酸配糖体含量が非常に高いので一般人が食品として摂ってはいけない。
ナタネには心臓疾患を起こす毒性物質であるエルカ酸(erucic acid)と甲状腺肥大症を起こすグルコシノレートが含まれるため家庭では食用及び食用油を採油する目的に使ってはいけない。流通している菜の花油(菜種油)は毒性物質をとり除いた品種(キャノーラ)を利用して別途の精製工程を経て生産されるので安全である。
ヒマシにはリシニンという毒性物質が含まれるので食用及び採油目的に使ってはいけない.
※ リシニン : 嘔吐, 溶血性胃膓炎, 肝臓や腎臓障害, 血圧及び呼吸低下などを起こしひどければ死亡する。 食品添加物及び医薬用ひまし油は精製して毒性物質をとり除いたものである。
食品医薬品安全庁は、食べることができる種子でも正しい方法によって適正量を摂らなければならないし、摂取方法が分からない種子は絶対食べてはいけないこと、堅果類は脂肪が多く酸敗しやすいので保管にも注意が必要であると警告する。