食品安全情報blog過去記事

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携帯電話は「脳腫瘍をひきおこしそうにない」

Behind the Headlines
Mobile phones 'unlikely to cause brain tumours'
Monday July 4 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/07July/Pages/mobile-phones-and-brain-tumours.aspx
BBCが「携帯電話と脳腫瘍には関係が無いということを示唆する根拠が増加している」と報道した。このニュースは、携帯電話の使用が神経膠腫と髄膜腫のリスクを増加させるかどうかについての根拠のレビューに基づくものである。特に著者らは大規模国際症例対照研究であるインターフォン研究を検討した。全ての疫学的、生物学的、動物実験研究と脳腫瘍の発生率とを総合して、携帯電話が成人の脳腫瘍リスクを増加させることはありそうにないことが示唆される。
このレビューはこの分野の専門家によるもので、その知見は専門家の総意を代表する可能性が高い。安心できるものではあるが、著者らは15年以上携帯電話を使っている人達や子どもの腫瘍についての十分なデータがないため不確実性は残ると言っている。現在の16才未満の子ども達への助言は、携帯電話は必要な時にのみ、手短に使うようにというものである。
WHOは予防的アプローチを採択して最近携帯電話を、排気ガスやコーヒーと同じリスクカテゴリーの「発がん性があるかもしれない」に分類した。この分類は関連は確実と言うにはほど遠く、関連を支持する根拠はデータのゆがみなどの他の要因による可能性があるというものである。