食品安全情報blog過去記事

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カフェインは日焼け止めの効果を増やすか?

Behind the Headlines
Could caffeine boost sunscreen?
Tuesday August 16 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/08August/Pages/caffeine-skin-cancer-lab-test.aspx
BBCニュースが「晴れた日には皮膚にカフェインを塗ると皮膚がんを予防するかもしれない」と報道した。このニュースはこれまでカフェイン摂取が悪性黒色腫ではない皮膚がんを含むある種のがんの発症率の低さと関連があるとされた原因を調べた研究に基づく。カフェインは、通常体内ではDNAの傷を感知し修復するのに使われるATRと呼ばれる酵素の働きを阻害することが知られている。ATRの機能を阻害した遺伝子組換えマウスを使って皮膚がん感受性を調べた。皮膚細胞にATRの活性がないマウスは正常ATRマウスに比べてUV照射による皮膚がんの発症に時間がかかり数も少なかった。これはATRが機能しない場合UV傷害を受けた細胞が死んでしまうためのように思える。
この研究は皮膚がん発症の細胞プロセスについての知見を提供するものであるが、皮膚がん予防とは直接関係ない。特にこの研究は皮膚がんを発症しやすい遺伝子組換えマウスで行われているものである。カフェイン入り日焼け止めが可能かどうかにはさらなる研究が必要である。
(もともと紫外線感受性の高いXpc(色素性乾皮症遺伝子)-/-マウスにさらにATR機能欠損)