食品安全情報blog過去記事

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一日一杯の飲酒と女性の健康−専門家の反応

SMC
A Drink a day’ and women’s health – experts respond
September 7th, 2011.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2011/09/07/a-drink-a-day/
一日一杯のみの飲酒が中年女性の健康に良いかもしれないことを示唆する新しい研究が発表された。しかし飲酒の良い影響は一部の専門家から批判されている。
PLoS Medicineに発表された米国ナース健康研究の解析結果。中年時の飲酒習慣とその後の健康状態について比較した。一日一杯の飲酒をしていた女性は全く飲まなかった女性、2杯以上飲む女性、一度に4杯以上飲む女性より健康状態が良かった。
SMCはこの研究についての専門家のコメントを集めた。
オタゴ大学医学部Jennie Connor教授
この研究はこれまでの知見に新しく加えることはない。自己申告による飲酒やコントロールできない交絡因子などのとデザインの問題があって飲酒が健康によいとは言えない。さらにこれを根拠に飲酒を薦めることには強く反対する。有害影響の方が大きい。
Curtin大学Mike Daube教授
この研究を根拠に飲酒を正当化してはならない。
Queensland大学Jayne Lucke準教授
この研究を飲酒が身体によいと誤解するのは簡単だ。そうではなく、少しずつ定期的に飲む女性は多分他のライフスタイル要因でも健康的で(お酒が飲めるほど健康で、活発な社会的活動を行っていて健康な食欲をもっている)、健康だということを示している。全く飲酒しない女性は持病があって飲酒できない可能性が高い。
New South Wales大学上席講師Lucinda Burns博士
少量飲酒女性が全体の健康状態がよいというのは新しい知見ではないが、常に矛盾を引き起こし続けている問題でもある。健康的に年をとりたかったら飲酒ではなく社会や文化活動に積極的に参加するなどの他の方法の方がよい。さらにもうひとつ大事なメッセージは、同じ量を飲んでも一度にたくさん飲むより分散した方がよいということである。
(飲酒の健康影響って放射線ホルミシスみたいなものだから)