食品安全情報blog過去記事

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チョコレートを食べることは運動ではない

Behind the Headlines
Eating chocolate is not exercise
Thursday September 15 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/09September/Pages/dark-chocolate-and-fitness.aspx
多くの新聞が今日はチョコレートに過剰反応した。Daily Mirrorが「ダークチョコレートは運動するのと同じくらい健康に良い」と報道し、Daily Expressは「チョコレートはトレーニングになる」、Daily Mailは「ダークチョコレートはどうしてジョギングと同じくらい健康によいか」と報道した。これらの誤解を招く見出しは、25匹のマウスを使った小規模な試験を引用している。この知見がヒトにあてはまるかどうかはわからない。この研究ではココアに含まれるエピカテキンの動物の筋のパフォーマンスへの影響を調べている。15日間エピカテキンを投与されたマウスは、そうでないマウスに比べてトレッドミル試験の成績が良かった。新聞が報道しているのとは違って、この化合物がヒトで同じ作用があるかどうかはわからない。さらにエピカテキンがダークチョコレートに含まれているとしても試験に使ったのはチョコレートではない。マウスに投与した量と同じになるためにはどれだけ食べればいいのかわからない。さらに検査したのは筋のパフォーマンスだけで運動による心臓への良い影響など他のベネフィットは調べていない。エピカテキンはチョコレートに含まれる成分のひとつに過ぎず、チョコレートには他にもたくさんの脂肪や砂糖などが含まれ、食べ過ぎによる有害影響はよく知られている。
まとめると、この研究はチョコレートを食べることが健康によいことや運動の代わりになることを示していない。