食品安全情報blog過去記事

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塩研究についての混乱

Behind the Headlines
Confusion over salt research
Thursday November 10 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/11November/Pages/cochrane-review-salt-blood-pressure.aspx
Daily Expressによれば「結局塩は我々にとって良いものだ」。新聞は「問題になっている新しい研究では食事に含まれる塩は我々の心疾患や脳梗塞を減らす可能性がある」という。Expressの記事は大幅に割り引いて読む必要がある、なぜならその研究では塩をたくさん食べることが良いということは示唆されていないから。代わりに、その研究では正常血圧の白人では減塩の血圧降下作用はほんの僅かでコレステロールのような物質が少し増えるということを発見している。この研究は先行研究の結果を集めて解析したものである。重要なことはレビュー対象になった研究の多くが数週間の影響しか調査しておらず、心疾患や脳梗塞のような長期健康影響を見るような研究ではないということである。減塩は長期対策であるため長期の影響を調べるほうが望ましい。
この研究は、全ての成人は塩を1日6gまでに制限すべきという現在のNHSの助言を変えるものではない。英国国立臨床研究所は成人一人あたりの平均食塩摂取量を6gに、2025年までには3gに削減すれば英国における心疾患と脳梗塞の死亡者は年に15000-20000人少なくなるだろうと言っている。