食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

Qwackwatchより
Delta Airlines Permits Anti-Vax Video
Jann J. Bellamy, Esq.
November 11, 2011
http://www.quackwatch.org/03HealthPromotion/immu/delta.html
CDCやWHOは毎年25万人から50万人の死亡者を出しているインフルエンザに対してワクチン接種を推奨している。しかしデルタ航空が反ワクチン団体NVICの作った不適切なビデオを使い続けている。ビデオでは最初は手洗いや咳エチケットなどの無害なものから始まり、次いでビタミンCやDが「天然の予防剤である」と言う。その後免疫力の活性化などについて述べて最後の最後にインフルエンザワクチンは「もう一つの選択肢」として提示する。効果のない予防対策を薦めて効果のある対策はそれ以下という扱いは不当である。米国小児科学会やたくさんのオンライン署名でデルタ航空を避難している。

  • 「ホリスティック」詐欺により傷ついた5人への賠償

Forfeiture Compensates Five Hurt by "Holistic" Fraud
November 10, 2011
http://www.quackwatch.org/01QuackeryRelatedTopics/Victims/holistic.html
カナダのブリティッシュコロンビアの自称「ホリスティックヒーラー」Selena Tsiによる損害に対して5人は34万カナダドル以上の賠償金を受け取る。被害者の一人は砒素中毒で死ぬところで、四肢麻痺になった。被害者はSelena Tsiに40万ドル以上を払ってキノコとハーブの混合物とされる薬を飲んでいたが、それは実際には高濃度のヒ素を含み、呼吸不全や腎不全や麻痺で病院に行ったときには生存確率5%と言われた。しかしSelena Tsiが支払うのではなく有罪にもならない。
カナダではCivil Forfeiture Actによる被害救済がメインで、犯罪者への支払い請求はなされない。カナダでは政府が必ずしも市民を守ろうとしないためインチキや健康詐欺が横行している。

  • 製品レビュー:ボディビルと運動能力向上用一酸化窒素サプリメント

コンシューマーラボ
Review Article: Nitric Oxide Supplements for Bodybuilding and Athletic Performance
11/11/11
https://www.consumerlab.com/reviews/nitric-oxide-supplements-review/nitric-oxide/
本当に効果があるのか?
この手のサプリメントが実際に含むものは一酸化窒素ではなくL-アルギニンである。

  • 母乳と白血病:母親や母乳熱狂に疑いを抱く人を非難するもうひとつの理由?

STATS
Breastfeeding and leukemia: Another reason to blame moms or to be suspicious of breastfeeding mania?
Rebecca Goldin, PhD and Cindy Merrick, November 11, 2011
http://www.stats.org/stories/2011/Breastfeeding_leukemia_nov11_11.html
一部の人達は母乳を与えることを子どもの病気の万能薬のように言う。STATSは保育方法の健康や経済上の主張について詳細に解析する。
母乳で育てることは乳児にたくさんの免疫学的メリットを提供し、一部の人達は子どもの病気の万能薬のようにあがめる。2010年のハーバード大学医学部のBartickとReinhold教授による報告書を読んだら、母乳が利益をもたらさないものは無いのではないかと思うだろう。研究者らは母乳を与えられた乳児が白血病などのような病気になるリスクが低いのかどうかについては検討を続けているにもかかわらず、Bartickは検証をすっ飛ばして結論してしまう:白血病による患者の命や治療費の損失は単に母乳を与えるだけで救われるというのだ。90%の女性が母乳で育てると得られると主張されている健康と経済上の利益について以下に詳細を検討した。
母乳を与えることで白血病予防になる?
白血病は血液や骨髄のがんで子どもにおいては最も多いタイプのがんでアメリカでは20歳以上の子どもで毎年約3500人の患者が発生する。数が多いように見えるが絶対リスクは低く、年に25000人の子どものうち1人が診断されている。良いニュースとしては白血病の患者数は比較的変化がないが、死亡率は過去20年で有意に減少していることである。例えば白血病のうち3/4は急性リンパ芽球性白血病(ALL)であるが5才以下の子どもの5年生存率は約90%である。急性骨髄性白血病(AML)では15才以下の子どもの5年生存率は約60%である。白血病の原因はよくわかっていない。大きなリスク要因としてはダウン症候群、白血病のきょうだいがいること、その他のがんの治療のために放射線療法を受けたことなどがある。他に一部の人では細菌やウイルス感染の結果が疑われている。理論的には母乳による受動免疫が予防作用を示す可能性があるため研究が行われている。
2007年にAHRQが母乳と子どもの病気の関連についての系統的レビューを行った。結論としては6-12ヶ月のALL診断についてオッズ比0.80とした。しかし質の高い研究が少なく結果も弱いものであるため議論は続いている。白血病が希なため研究には大規模データベースが必要である。
費用の部分略
母乳のメリットは多く有害であるという根拠はないので、母親の母乳育児を支援するのは継続されるべきだが、子どもの白血病予防のためにと言う必要はあるのだろうか?