食品安全情報blog過去記事

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現在EFSAが化学物質の食事暴露評価に使っている方法の概要

Overview of the procedures currently used at EFSA for the assessment of dietary exposure to different chemical substances
EFSA Journal 2011;9(12):2490 [33 pp.].
08 December 2011
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2490.htm
食品中に含まれる化学物質の健康影響は、食事からの暴露量と毒性学的に懸念のある量との比較により推定される。暴露評価では食品中に存在する量とこれらの食品を食べる量を組み合わせる。過去10年間で国際レベルで食事暴露評価方法論についてのガイドライン文書がいくつか作成されたが分野によりあまり一貫していない。簡単な最悪シナリオから実際の暴露量を推定する精細化した方法までたくさんの異なる方法が存在する。食事からの暴露評価の正確さが増すと評価のための費用が高くなる。EFSAの意見では暴露評価は保守的であるべきで、特別に必要な場合にはそれなりの、段階的アプローチが用いられるべきであることを確認している。しかしながら専門委員会の間における方法論の違いのいくつかは評価対象物質の分類上求められる水準によっては完全に正当化できない。EFSAでは、より精細化した正確な食事摂取量情報が入手できるようになったため、暴露評価方法のさらなるハーモナイゼーションの余地がある。濃度データ改善のためには加盟国間で協力してモニタリング計画のための統計学的サンプリング枠組みを開発することが可能で、トータルダイエットスタディのデータを使った統一的アプローチが可能である。専門委員会間のスクリーニング方法や高摂取群の慢性暴露モデルについてもさらなるハーモナイゼーションの必要がある。子ども、特に幼児については最高暴露量であることが多いために常に考慮すべきである。精細化が必要な場合は確率論的食事暴露評価をより普遍的に使うことや、代謝上または構造的に関連した化合物の累積暴露評価、短期の食事データから通常摂取量を推定する場合には統計的方法論を試すこと、が有用であろう。