食品安全情報blog過去記事

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デオドラント化粧品の化学物質が「乳がんに検出された」

Behind the headlines
Deodorant chemical 'found in breast tumours'
Friday January 13 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/01January/Pages/parabens-in-breast-cancer-tissue-studied.aspx
「消臭剤やフェイスクリーム、食品などに含まれる化学物質が全ての乳がん患者から発見された」とDaily Mailが報道した。新聞は化粧品に保存料として広く使用されている化学物質が40人の乳がん患者の組織から検出されたという。この見出しはパラベン類のヒト分布を調べた研究に基づく。研究者らは乳がんにより乳房を摘出した40人の女性の乳腺組織の4つの異なる部位に5種類のパラベン類がどう分布しているのかを調べた。検体の99%からパラベンが検出され、個々のパラベンの濃度や分布が異なることを発見した。この解析では乳がん患者の組織しか調べておらず、がんでない組織とは比べていない。またパラベンががんの原因だと証明したものではなくがんの発生への関連を示唆したものでもない。
化粧品に含まれる化学物質とがんの関連については研究が続くだろう。乳がんのリスク要因は数多く知られており、研究者が結論しているように、単一の化学物質が支配的なリスク要因であることはありそうにない。