食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース等

  • BASFはヨーロッパのGM作物市場を放棄

Natureニュースブログ
BASF abandons GM crop market in Europe
16 Jan 2012
http://blogs.nature.com/news/2012/01/basf-abandons-gm-crop-market-in-europe.html
ドイツの大化学企業BASFは組換え植物部門をヨーロッパから米国に移す。1月16日にBASFが発表した。BASFはドイツのLimburgerhofで157人を雇用し他のヨーロッパ施設に63人を雇っているがこの123の仕事はノースカロライナに移行する。
理由はヨーロッパの多くでGM技術への反対が強いため。BASFは2010年に欧州委員会から認可された工業用遺伝子組換えジャガイモAmfloraを販売している。
英国のGlamorgan大学のDenis Murphyは、「ヨーロッパは科学的停滞の危機に瀕しており食料安全保障について途上国を援助できないだろう。BASFのような企業だけでなく研究者や学生も失い、これまで我々が途上国に対して持っていた影響力も無くなるだろう」とコメントしている。

  • 酒に真実無し?赤ワイン研究者が不正行為

Natureニュースブログ
In vino non veritas? Red wine researcher implicated in misconduct case
12 Jan 2012
http://blogs.nature.com/news/2012/01/in-vino-non-veritas-red-wine-researcher-implicated-in-misconduct-case.html
コネチカット大学生物学研究室の3年に渡る調査の結果、2ダース以上の論文や申請書でデータの偽造や加工を行っていた責任は健康センターのセンター長、Dipak Dasにあるとした。
11日に発表された60000ページに渡る報告書で、23の論文と3つの申請書のうちの145箇所のデータ偽造についてDasが有罪であることを報告している。(49ページの要約はhttp://today.uchc.edu/pdfs/final_narrative.pdf)ウエスタンブロットのバンドを他の実験から切り取って貼り付けたりしている。
2人の学位論文が異常な画像を含む。Dasの研究室のメンバーはウェスタンブロットの画像を操作するのは悪いことではないと言った。たとえばDasへの電子メールで学生の一人が「あなたが私に言ったとおりに画像を変えておきました」と書いている。
Dasの研究室では担当する実験が分業されており、そのような運営形態では共著者による研究不正が発覚しにくい。Dasはこの調査について大学による人種差別だと主張していた。
Dasの論文は数百回引用されているが、レスベラトロール研究にはあまり影響はないとHarvard Medical School’の David Sinclairは語っている。Dasの論文はJournal of Agriculture and Food Chemistryや Free Radical Researchに多い。現時点では論文は取り下げられていないが大学は雑誌に操作された図を含む論文を通知したと言っている。
(確かに臨床に近い分野ではほぼ引用されない雑誌ではある。でもインチキ健康番組は大好きな雑誌。)

  • ヨーロッパにおける果物と野菜の摂取−ヨーロッパ人は十分摂っているか?

EUFIC (European Food Information Council )REVIEW 01/2012
Fruit and vegetable consumption in Europe – do Europeans get enough?
17/01/2012
http://www.eufic.org/article/en/expid/Fruit-vegetable-consumption-Europe/
ヨーロッパ各国の野菜や果物摂取量についての報告
野菜や果物の定義が国によって違う(ジャガイモやキャッサバのようなものを含めるか、ジュースをどう考えるかなど)こと、一日の推奨摂取量も国により違うことなどを考慮してEFSAのデータをもとに提示。国によってかなり違い、ポーランドが一番多く、アイスランドが少ない。
(北が少なく南が多いのはある程度しかたないのでは。それこそエネルギーをできるだけ使わないで地元産食材を食べようなどという運動をしたら北はどうすればいいのかということ。)

Food Safety News
Food Industry Concerned About EPA's Dioxin Limits
by Helena Bottemiller | Jan 09, 2012
http://www.foodsafetynews.com/2012/01/food-industry-concerned-about-epas-dioxin-limits/
食品産業はEPAの新しいダイオキシン規制値案を心配している。
何年にも渡る審議と案の提示を経て、EPAダイオキシン最終ガイドラインを今月発表すると予想されている。先月Food Industry Dioxin Working Group (FIDWG)がこの件について「深い懸念」を表明する文書をホワイトハウスの政策助言者やEPAFDA、USDAなどに送付した。
現在ダイオキシン類についてのWHOやEUの規制値は1-4 pg/kg体重/日であるが、EPAが提案するのは0.7 pg/kg体重/日と予想されている。これにより、健康を保護するメリットはないのに多くのアメリカの農産物が「食べるのに適さない」ものに分類されることになるだろう。