食品安全情報blog過去記事

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野菜や果物に含まれる化学物質ががんと戦うか?

Behind the Headlines
Does fruit and veg chemical fight cancer?
Monday January 23 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/01January/Pages/luteolin-flavonoid-cancer-prevention.aspx
「健康的な野菜や果物の食事が最も恐ろしいがんから身を守るのに役立つ」とDaily Expressが報道した。新聞はこれはこれらの食品に含まれる「スーパー栄養素」のためだという。この話は各種植物に含まれるルテオリンという化学物質についての研究に基づく。この物質は既に実験室で大腸がん細胞の増殖を抑制することが知られており、この研究はどうやってがん細胞をやっつけるのかを確認しようとしたものである。研究者らが特に注目したのは細胞が自然に死亡するのを阻止してがんになる細胞のプロセスについて、である。研究者らはルテオリンが細胞の生死に関わるプロセスに干渉することを発見した。Daily Expressはルテオリンの多い食生活ががんを予防すると報道したが、この研究は実験室で行われたもので、この化合物のヒトでの影響を調べたものではない。さらにこの実験で使われたルテオリンは高濃度の純品であり食事から摂ったものではない。この研究は純粋なルテオリンが実験室での大腸がん細胞の増殖をどうやって減らしているかを示したもので、ルテオリンを多く含む食生活ががんを予防できることを示したわけではない。
しかしながら野菜や果物を食べることと大腸がんを減らすなどの良い影響との関連についてはたくさんの研究が支持している。このためバランスの取れた食生活の一環として野菜や果物を薦めることには既に十分な根拠がある。