食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • Stanislaw Burzynskiが詐欺で訴えられる

Casewatch
Stanislaw Burzynski, M.D., Accused of Fraud
Stephen Barrett, M.D.
January 26, 2012
http://www.casewatch.org/civil/burzynski/quinlan/petition.shtml
フロリダのがん患者がインチキながん治療法で10万ドル詐取されたと訴えている。
(アンチネオプラストン療法で有名な人)

  • "Toxic Mold"のグルが医師免許を返上

Casewatch
"Toxic Mold" Guru (Andrew Campbell. M.D.) Surrenders Medical License
Stephen Barrett, M.D.
January 24, 2012
http://www.casewatch.org/board/med/campbell/amended_complaint_2009.shtml
患者の症状を「有害なカビ」のせいだと診断したがるAndrew Campbell医師が、これまで何度も医事当局から免許停止命令を出されていたが今回自主的に返上した。

  • Gary Nullの活動と資格を批判的にみる

Quackwatch
A Critical Look at Gary Null's Activities and Credentials
Stephen Barrett, M.D.
http://www.quackwatch.org/04ConsumerEducation/null.html
Gary Michael Null (1945– )は米国の有名な疑わしい治療法推進者の一人である。彼はラジオやテレビのトークショーの司会を務め、本や雑誌の記事を書き、講演をし、ウェブサイトで製品を販売している。彼は1996年以降ニューヨーク州の認定した栄養士nutritionistである。
雑誌の記事によれば彼は20代でニューヨークで調理員として働いていた時に栄養に興味を持ち、1972年に書いた本「健康と栄養の完全ガイド」がトークショーでの宣伝後よく売れた。その後テレビやラジオで番組を持ったりしている。
彼は製薬業界などが陰謀により事実を隠しているとしてフッ素添加やワクチンや各種医療に反対している。一般的な医療には効果が無いのに医師の陰謀で人々が病気にされているとして、カイロプラクティックホメオパシーやAIDSの栄養療法などを薦める。ビタミンやミネラル、ローヤルゼリーCoQ10アミノ酸などの各種サプリメントを販売している。
1992年にFTCに虚偽の宣伝で起訴されたが悪事を止めることはなく現在いくつかの裁判を抱えている。(製品のビタミンD含量が必要量の1000倍で中毒症状、腎障害になったなど)
学歴、学位について疑問がある。

  • 米国の煙草:煙と鏡(人を欺くもの)

Tobacco in the USA: smoke and mirrors
The Lancet, Volume 379, Issue 9813, Page 288, 28 January 2012
エディトリアル
SFテレビドラマシリーズ、スタートレックのディープ・スペース・ナインの中で、3人の宇宙人資本家が1947年にタイムトリップしたことがある。そこで医療関係者を含む人類が煙草を吸うのを見て大喜びした。金の匂いを嗅ぎつけた主役は「やつらは毒だって買うのだから何だって買うだろう」と笑う。
将来の歴史家が煙草と人類の長い不幸な歴史を振り返った時、我々の時代についてなんと言うだろう?米国肺協会の「2012年煙草規制状況」報告書はいくつかの手がかりを与えてくれる。Richard Dollが喫煙と肺がんの関係を確認して60年、米国大統領ががんとの戦いを宣言して40年も経つのに、「2011年は州レベルでは煙草規制の暗黒年」というのは信じられないことだろう。2011年に包括的禁煙法が採択された州は1つもなく、ネバダ州では緩和された。たばこ税を上げることはできず喫煙予防対策費は削減された。煙草企業の訴訟好きは驚くべきもので今後も訴訟が続くだろう。この報告書ではFDAによる喫煙対策の努力を訴訟が如何に阻害してきたかを詳細に記している。連邦政府はどちらの味方なのだろう?
州及び連邦レベルで煙草対策の刷新が必要である。

Assessing Supplement Safety — The FDA's Controversial Proposal
Pieter A. Cohen, M.D.
January 25, 2012 (10.1056/NEJMp1113325)
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1113325
最近ユタ州の有名なサプリメント企業が「Ophioglossum polyphyllous」を含むと表示された性機能増強用サプリメントZotrexを回収すると発表した。問題はOphioglossumが食用成分ではないことだけではなく、Zotrexが実際にはシルデナフィル類似体のスルホアイルデナフィルを含むという二重の問題である。リコールされるまでにこの会社は1400万カプセルの製品を販売し何千人もの消費者がこの検査されていない物質を使ったことだろう。Zotrexは著しい違法の例であるにもかかわらず、Ophioglossum polyphyllousと称するサプリメントは何の監視もなく新しく販売されている。
毎年アメリカ人は280億ドル以上をサプリメントに費やし1億人以上がビタミンやミネラルやハーブ成分などを使用している。法では、米国で1994年以前に販売されていた成分を含むダイエタリーサプリメントは有効性や安全性の根拠無く販売できる。1994年にDSHEAができてからサプリメントの数は急増し、4000程度だったのが55000になったと推定されている。新しいもののうちどれくらいが新規成分かはわからないがFDAに適切な通知があったのは1994年以降たった170である。従ってFDAも企業も多くの製品は安全性評価無く販売されているとみなしている。この事態をただすためにFDAは昨年7月新しいガイドラインを提案した。新しいガイドラインは重要なステップであるが、私は十分だとは思わない。ガイドラインの内容にも問題はあるが、この内容ですらサプリメント企業は取り下げを要求している。FDAサプリメント業界に屈すれば、公衆衛生への影響は重大であろう。しかしガイドラインが強化されてもDSHEAの根本的欠陥はFDAの安全確保能力を制限し続けるだろう。