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食品への植物ステロールやスタノールの添加:オランダの新しい研究の評価

Addition of plant sterols and stanols to food: assessment of a new study from the Netherlands
24.02.2012
http://www.bfr.bund.de/cm/349/addition-of-plant-sterols-and-stanols-to-food-assessment-of-a-new-study-from-the-netherlands.pdf
先にドイツ語で発表された意見書の要約部分のみ英語版
http://www.bfr.bund.de/cm/343/lebensmittel-mit-pflanzensterol-und-pflanzenstanol-zusatz-bewertung-einer-neuen-studie-aus-den-niederlanden.pdf
植物ステロールやスタノールは、コレステロールを下げる影響があるためマーガリンやミルクやパンのような食品に加えられている。そのような添加食品の多く健康へのリスクを評価され認可されなければならない新規食品である。
植物ステロールは油やナッツや種子や穀物などの、全ての脂肪を含む植物由来食品に微量存在する。ヒトにとっては必須ではなく、ヒトはほとんど消化できない。植物スタノールは植物ステロールを加水分解(注:水素添加の誤記と思われる)したもので天然には植物食品には含まれない。
BfRはヒトの網膜微少血管に与える植物ステロールの望ましくない影響についてのオランダの研究を評価した。網膜の血管解析は心血管系リスクの早期診断としてよく使われるようになってきている。この研究の知見は植物ステロールを摂ることが、健康なヒトが比較的大量を長期間摂り続ける場合、心血管系リスクとなるかもしれないことを示す。入手可能なデータの量から、リスクの大きさについては現時点では定量できない。
BfRは先の意見で植物ステロールやスタノールを加えた食品をコレステロール濃度の高くない人や子どもが多く食べていることを指摘しているEFSAは現在植物ステロールやスタノールの1日摂取量は3gに制限すべきと助言している。
オランダの研究の結果から、BfR食品添加物としての植物ステロールの使用についてヨーロッパレベルで再評価すべきという意見である。