食品安全情報blog過去記事

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柑橘類のフラボノイドが「脳卒中リスクを減らす」という主張

Behind the headlines
Claim flavonoids in citrus fruits 'cut stroke risk'
Friday February 24 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/02February/Pages/citrus-fruit-lowers-stroke-risk.aspx
Daily Mailがグレープフルーツやオレンジが「脳卒中から守るようだ」と報道した。新聞はこれらの柑橘類の抗酸化物質が脳を守ると言う。この話のもとになった研究は7万人の女性が参加したナース健康研究で、研究者らは4年ごとに食品頻度調査を行い、約14年のフォローアップ期間の全ての種類の脳卒中について数えた。その結果フラバノンの摂取量が最も多い女性で虚血性脳卒中リスクが低いことがわかった。しかしながら実際の柑橘類やジュースの摂取量と虚血性脳卒中リスクに関連はなく、フラボノイド全体の摂取量と脳卒中リスクも関連がなかった。このためこの知見はとても決定的とは言い難い。柑橘類とそれに含まれる化合物が脳卒中リスクと関連するかどうかについてはさらなる研究が必要である。しかしこの研究だけでも、女性が柑橘類を食べると脳卒中リスクが減るという根拠はない。しかしながら、野菜や果物を多く含むバランスの取れた食生活が健康に良く心血管系疾患を含むいくつかの疾患リスクを下げることは既に知られている。