食品安全情報blog過去記事

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Lancet  

Vol.379 | Number 9822 | Mar 31, 2012

  • レビュー セレンとヒト健康

Selenium and human health
Prof Margaret P Rayman
セレン不足は死亡率や免疫機能低下、認知機能低下と関連し、セレン濃度が高いことやセレンサプリメントは抗ウイルス作用や生殖機能、自己免疫性甲状腺疾患リスクの削減作用などがある。前向き研究では一般的にセレン濃度の高さが前立腺、肺、直腸結腸、膀胱がんに良い影響を示すがこれらの研究の知見は多様で、サプリメントに利益があるのは摂取が不足している場合のみであろうという事実を強調するようである。既に適切な摂取量であるヒトがサプリメントを摂ると2型糖尿病のリスクを増加させる可能性がある。強調すべきなのは追加のセレンは不足しているヒトには利益があるが適切またはたくさん摂っているヒトには有害影響があるだろうため摂るべきではないということである。
(セレンを多く含む食品はシーフードと内臓肉)

  • エディトリアル:英国はアルコール対策をとる

The UK takes action on alcohol
英国はヨーロッパの他の国に比べて特にアルコールと不健康な関係があるにもかかわらず対策は歴史的に弱かった。新しいアルコール戦略は保健省からではなく内務省から出された。

  • タバコは低−中所得国で人々を殺している

Tobacco killing in low-income and middle-income countries
2011年には世界のタバコ関連死600万人の約80%が低−中所得国である。

  • ワールドレポート

ビスフェノールAの安全性を巡る議論は続く
Controversy continues over safety of bisphenol A
Nayanah Siva
ビスフェノールAPubMedで検索すると6000以上ヒットする。1960年代からこの化合物と糖尿病や内分泌疾患、肥満、乳がんなど各種健康影響の関連を調査した数百の研究がある。数年に渡ってBPAの問題は科学者や企業や規制機関を分断してきた。このリストにさらに心疾患との関連が加わった。