食品安全情報blog過去記事

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おもちゃの接触アレルゲン:ニッケルと香料の健康評価

Contact allergens in toys: Health assessment of nickel and fragrances
18.04.2012
http://www.bfr.bund.de/cm/349/contact-allergens-in-toys-health-assessment-of-nickel-and-fragrances.pdf
先にドイツ語で発表された意見の要約部分のみの英語版
http://www.bfr.bund.de/cm/343/kontaktallergene-in-spielzeug-gesundheitliche-bewertung-von-nickel-und-duftstoffen.pdf
子どもたちの約10%がニッケルに感作されている。香料にも概ね2%が感作されている。新しくアレルゲンと接触すると感作されたヒトは接触アレルギーを発症する可能性がある。接触アレルギーは皮膚がアレルゲンと反応して赤くなったり水ぶくれになったりすることである。感作は一生続き、治ることはない。症状を治療することができるだけである。従ってニッケルや香料などのようなアレルギー誘発因子との接触は子どもの頃から可能な限り避けることが重要である。
2010年連邦コントロール計画の結果は、おもちゃによるこどものニッケル暴露が相当量あるということを証明した。ニッケルへの高濃度暴露は感作リスクを高める。ジュエリーや衣服などの直接皮膚に長時間接触する製品からのニッケル放出はREACH規制で制限されているが、おもちゃについては規定はない。BfRはREACH規制をおもちゃにもあてはめるべきであるという意見である。欧州委員会はおもちゃ指令の解説文書でこのことを確認してる。
香料については事態は異なり、55のアレルギー誘発性香料はおもちゃ指令で禁止されていて、さらに11の香料はアレルギー表示が求められている。しかしこれら禁止香料もおもちゃ1kgあたり100mgまでは許容されている。BfRはこの基準が高すぎると考える。100 mgを10mgに引き下げることを薦める。
粘土やフィンガーペイントのような液体やねばねばしたおもちゃは直接皮膚に触れ、細菌増殖を抑制するために保存料が使用されている。保存料には感作性のあるものが多いので、そのようなおもちゃの使用基準は化粧品と同様の基準を採用すべきである。