食品安全情報blog過去記事

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妊娠中毎日飲酒は「安全でない」

Behind the Headlines
Daily drinking in pregnancy 'not safe'
Wednesday June 20 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/06june/Pages/daily-drinking-pregnancy-risk-not-safe.aspx
Metroの今日の記事は「妊娠女性は安全に暴飲できる」と報道した。妊娠中の女性が「子どもが5才まで悪影響がないことがわかったので週に12単位まで飲酒」できるという。他のいくつかの新聞も同様で、Daily Mailは1日1杯飲んでも赤ちゃんに害はないと言い、Daily Expressは妊娠中に週に12単位飲んでも安全だと報道した。では妊娠女性は安心してシャルドネの大きなグラスを飲み干すべきなのか?残念ながらそうではない。
新聞報道は女性とその5才の子どもについての一連の研究に基づく。この研究は妊娠初期から中期の飲酒パターンと子どもの知能や集中力やその他の精神機能を調べたものである。5つの研究の解析から、全体としては低−中程度の飲酒は子どもの5才時点での神経発達に影響はないと結論した。また一回に5杯以上飲む暴飲についても子どもの神経発達との関連は見つけられなかった。しかしながら研究のうちの1つでは週に9単位以上の飲酒と子どもの集中力スコア低下の間に有意差があった。
これらの研究は妊娠中の飲酒についての研究分野に貢献し、たまに飲んでも子どもに特定の神経発達上の影響はないという幾分かの根拠になるようではある。しかしながらこれはメディアがほのめかすような、妊娠中に自由に飲んで良いということではない。研究は比較的小規模で、アルコールの幅広い有害影響を調べたわけではない。
妊娠中に大量飲酒することは流産やFAS、FASDのリスクを増やすことがわかっている。FASとFASDは先天障害から学習や行動上の問題、運動や協調の問題までの幅広いものを含む。妊娠中の「安全な」飲酒レベルについては不確実なままである。この研究は現在の英国の妊娠女性向け助言を変えるものではない。保健省は妊娠中は可能であれば飲まないように助言している。NICEは妊娠の最初の3ヶ月はアルコールを避けるように、もし飲む場合には週に1回か2回、1-2単位を超えないように助言している。また酔っぱらうばきではないとしている。ワイン125mLで1.5 UKユニットに相当する。