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APVMAは輸出トマトにジメトエート処理を認める申請を拒否することを確認

APVMA affirms refusal of permit application for dimethoate treatment of export tomatoes
20 June 2012
http://www.apvma.gov.au/news_media/news/2012/2012-06-20_refusal_permit_application_dimethoate.php
APVMAは輸出用トマトのホストハーベスト処理用ジメトエートの認可を拒否するという先の決定を再確認した。これは申請者からの公式な再検討要請によるものである。
ジメトエートは有機リン系殺虫剤で、2011年8月の残留農薬と食事リスク評価報告書でトマトやある種の作物へのジメトエートのポストハーベスト使用は許容できないと結論した。子どもたちへの暴露リスクがあるためである。これを受けてAPVMAは各種作物へのジメトエートの使用を一時中止している。
2011年10月17日に輸出業者がニュージーランドや太平洋諸島向けの輸出用トマトのポストハーベスト処理用にジメトエートの使用を認める申請をした。申請には新しい残留データなどが含まれていた。
急性暴露に必要なトマトの摂取量が少ない。評価に用いた摂取量データは2-6才の子どもで168g、一般成人で351gで、オーストラリアの長鎖では平均的トマトは130gである。これは2-6才の子どもにとっては1.3個、一般人では2.7個に相当する。全ての事実を慎重に検討した結果、APVMAは提案された使用が人々に不当なハザードとならないという主張に満足できなかった。
申請者は、オーストラリアとニュージーランドではトマトのジメトエートのMRLが異なり(ニュージーランドでは1mg/kg、オーストラリアでは0.02 mg/kg)、オーストラリアの基準はオーストラリアの人にのみ当てはまるという主張している。確かにMRLは違うが、オーストラリアの規制にある“human beings”という言葉はオーストラリア人のみの安全が確保されればいいという意味ではない。