食品安全情報blog過去記事

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JAMA September 19, 2012は肥満特集

  • エディトリアル 肥満研究の前進:楽観している理由

Progress in Obesity Research: Reasons for Optimism
Edward H. Livingston, MD; Jody W. Zylke, MD
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1360845
肥満の効果的治療薬が無くライフスタイル変更の効果もあまりない。肥満手術は効果的である。

  • カロリー過剰摂取を予防するための政府の役割

The Role of Government in Preventing Excess Calorie Consumption
Thomas A. Farley, MD, MPH
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1360874
ニューヨーク市の例
アメリカ人は必要以上にカロリーを摂っている。運動不足の肥満への影響は不明であるがカロリー過剰摂取が肥満に寄与していることは極めて明白である。ここ数十年で肥満は増加し続けてきて、アメリカ人の遺伝子は変化無く食品環境が大きく変わった。食品はどこにでもあり、便利で、カロリーが高く、大きなサイズで激しい宣伝で提供されるようになった。カロリー過剰には多くの食品が関与するが特に砂糖入り飲料が批判の的になっている。食品業界のマーケティングも大きな問題である。これに政府がどう対応すべきか?
ニューヨーク市はカロリー表示の義務づけ、砂糖入り飲料への課税、一回分のサイズ制限などを提案している。

  • 次世代肥満研究:無駄にする時間はない

The Next Generation of Obesity Research: No Time to Waste
Griffin P. Rodgers, MD; Francis S. Collins, MD, PhD
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1360875
効果のある対策を知るための研究が必要である

  • FDAの肥満薬認可:リスク−ベネフィット認識の違い

FDA Approval of Obesity Drugs: A Difference in Risk-Benefit Perceptions
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1360873

  • 新しい肥満薬開発における心血管系リスク評価

Cardiovascular Risk Assessment in the Development of New Drugs for Obesity
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1360872

  • 子どもや10代のBPA濃度の高さは肥満と関連する

Higher levels of BPA in children and teens associated with obesity
18-Sep-2012
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-09/jaaj-hlo091412.php
JAMAの9月19日号に発表された論文で、約3000人の子どもや若者のデータから、尿中ビスフェノールA濃度が高いと肥満である可能性が高いことが報告された。

北米メディアがこぞって取り上げている
Medical study links BPA, kids’ obesity
Wednesday, September 19, 2012
http://www.bostonherald.com/news/regional/view.bg?articleid=1061161409&srvc=rss
ニューヨーク大学医学部のLeonardo Trasande博士がBPAが脂肪細胞を大きくしてカロリーバランスを悪くすると主張している。他いつものメンバーがBPAの使用禁止を主張。
(JAMAのエディトリアルでは横断研究なので原因なのか結果なのかは明確ではないといっているがニュースでは肥満の原因と断定している。
肥満の責任は自分自身にはなく何か悪いもののせいだというニュースにニーズがあるのだろう。それが結果的には肥満の解決を遅らせているようにしか見えないのだけれど)