食品安全情報blog過去記事

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「トウモロコシ上の薬物」が安価な治療法を提供できる

NZ
Drugs “on-the-cob” could provide cheaper therapies
September 19th, 2012.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2012/09/19/drugs-on-the-cob-could-provide-cheaper-therapies/
これまで高価な細胞培養技術でのみ作ることができた稀少疾患の治療薬が温室で育てたトウモロコシで作られるかもしれない
Nature Communicationsに発表された知見で、希であるが命に関わる疾患の治療コストが劇的に下げられるかもしれない。
研究者らは1型ムコ多糖症(MPS1)の治療に使われる酵素であるアルファ-L-イズロニダーゼを合成する遺伝子組換えトウモロコシを作った。現在この酵素の製造費用は子どもの1年間の治療に使う量で30万から50万ドルで、成人だともっとかかる。機能する酵素を作るのがほ乳類細胞での培養でしかできないからである。トウモロコシにこの修飾を行わせる方法がわかったことでトウモロコシの種子で薬物を作ることができた。
英国SMCが以下の専門家コメントを集めた
John Innesセンターの植物バイオテクノロジー学者George Lomonossoff教授
これは植物で発現させたタンパク質の望ましくない植物特有のグリコシル化問題を解決する興味深い新しい試みである。植物での医薬品生産の重要な追加のツールになるであろう。
John InnesセンターPenny Sparrow博士
まだ乗り越えるべき壁は多い。科学はいつか問題を解決するが患者は医薬品企業が費用と時間と規制の重荷を乗り越えなければ恩恵を受けられない。