食品安全情報blog過去記事

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GM食品が「がんと関連する」という主張は他の研究者に疑われる

Claims of GM foods 'link to cancer' disputed by other researchers
Thursday September 20 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/09September/Pages/Claims-of-GM-foods-link-to-cancer-disputed-by-other-researchers.aspx
Daily Mailに大きな腫瘍のあるラットの写真が掲載され、「GMを食べるとこのラットのようにがんになると研究がいう」という見出しが添えられた。記事ではGM食品が「ヒトで臓器を傷つけ早死にさせる」と主張している。
この主張は国際科学コミュニティのメンバーからこの試験のやりかたについての厳しい批判を受けた。
この2年間の動物実験では200匹のラット(雄雌100ずつ)を10群に分けた。雌雄各3群に異なる濃度のGMトウモロコシを与え、さらに3群にはラウンドアップで処理したGMトウモロコシを与え、これら6群を未処置非GMトウモロコシを与えた対照群と比較している。さらに飲料水で異なる濃度のラウンドアップを与えて非GMトウモロコシを食べさせた3群を設けている。
問題になっているのは対照群がたった20匹(雌雄各10)で、この種の試験としては少なすぎることである。通常このような場合50-50、つまり対照群は100匹のラットを使う。
2年の実験後、研究者らはどんなGMでも対照群より少しだけ早く死に、早く腫瘍を発生したという。しかし対照群の数が少ないため偶然である可能性がある。
もう一つの批判はラットの選択で、SDラットは腫瘍になる可能性が高いのでGM群の多くはどういう理由にせよ腫瘍になるだろうということである。従ってそのような普通でない方法で行われた試験では信頼できる結果だとみなすのは難しい。
以下ではSeralini教授の政治的反GM活動についても説明。しかもこの論文の事前情報は科学者ではなくジャーナリストに開示され、ジャーナリストは専門家からのコメントをとらないよう署名をさせられている。これは普通ではあり得ない、など