食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より

  • 妊娠女性の低レベル水銀暴露が子どものADHDリスクと関連

Low-level mercury exposure in pregnant women connected to ADHD risk in children
8-Oct-2012
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-10/bawh-lme100512.php
Archives of Pediatrics & Adolescent Medicineに2012年10月8日オンライン発表された研究によると母親の妊娠中の低レベル水銀はADHD関連行動リスクの大きさと関連し一方妊娠中に魚を食べることは子どものADHD関連行動リスクを下げる。妊娠女性は水銀濃度の低い魚を食べることで利益が得られる可能性がある。
出産時の母親の毛髪中水銀濃度を測定し、妊娠中に魚をどれだけ食べたか質問し8年後の子どもの行動を評価した。
Prenatal Exposure to Mercury and Fish Consumption During Pregnancy and Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder–Related Behavior in Children
http://archpedi.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1377487
この集団の毛髪水銀濃度の中央値は0.45 μg/g (range, 0.03-5.14 μg/g)、多動関連リスクが高くなるとされる値は1 μg/g程度とのこと
(日本人女性だと平均で2 μg/gくらいあるかな 興味のある方はこちらhttp://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/kanshi/index-kanshi.html

  • トマトを食べると脳卒中リスクが減る?

Can eating tomatoes lower the risk of stroke?
8-Oct-2012
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-10/aaon-cet100212.php
Neurologyに2012年10月9日発表された新しい研究によると、血中リコペン濃度の最も高い人は最も低い人より55%脳卒中になりにくい。フィンランドの1031人の46-65才の男性で、試験開始時に血中リコペン濃度を測定して平均12年フォローした。アルファカロテンやベータカロテン、アルファトコフェロール、レチノールとは関連がなかった。

Anaphylaxis from bee pollen supplement
CMAJ July 10, 2012 vol. 184 no. 10 1167-1169
Amanda Jagdis, Gordon Sussman,
http://www.cmaj.ca/content/184/10/1167.long
季節性のアレルギー性鼻炎のある30才女性の花粉サプリメントによる命に関わるアナフィラキシーの症例。ナチュラルヘルス製品として販売されているがアレルギーに注意が必要。

  • 中国南部における熱い飲料や食品と食道がん

Hot beverage and food intake and esophageal cancer in southern China
Lin J et al.,
Asian Pac J Cancer Prev. 2011;12(9):2189-92.
熱い飲料や高温調理は食道がんリスクを大きく上げる

  • Lancet

エディトリアル
鬱と世界経済危機:希望はあるか?
Depression and the global economic crisis: is there hope?
先週スペインが高度緊縮財政を発表し、これはスペインの科学にとって「希望はない」ことを二人の研究者らがまとめて報告している。
失業、貧困、負債、公共サービスの減少は直接健康に影響する。世界中で鬱とそれに関連する自殺や飲酒関連疾患がその結果であることが知られている。そして10月10日は世界精神衛生デーである。

オンライン
2型糖尿病スクリーニングと10年以上にわたる集団の死亡率(ADDITION-Cambridge):クラスター−無作為化対照試験
Screening for type 2 diabetes and population mortality over 10 years (ADDITION-Cambridge): a cluster-randomised controlled trial
Rebecca K Simmons, et al
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673612614226
オープンアクセス
2型糖尿病ハイリスクの人16047人のうち15089人を2001-2006年の間にスクリーニングに招き、11737人が参加し466人(3%)が糖尿病と診断された。対照群は4137人でフォローアップのみ。平均9.6年の間にスクリーニングによる心血管系疾患やがんや糖尿病関連死亡にスクリーニングによる削減はなかった。

コメント
世界の糖尿病負荷に取り組む:スクリーニングは役に立つか?
Tackling the global diabetes burden: will screening help?
Michael M Engelgau, Edward W Gregg
確たる根拠なしに漠然と行われている広範囲スクリーニングについての疑問を拡大した。