食品安全情報blog過去記事

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砂糖代用品が「世界の糖尿病の流行をおこしている」

Behind the Headlines
Sugar substitute 'sparking global diabetes epidemic'
Wednesday November 28 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/11November/Pages/Sugar-substitute-sparking-global-diabetes-epidemic.aspx
Daily Mailが「ビスケットやアイスクリーム、エネルギードリンクに使われているシロップが世界規模で糖尿病を増加させている」と報道し、果糖コーンシロップを大量に使う国はあまり使わない国より糖尿病の率が「20%高い」という。この報道は糖尿病の率と高果糖コーンシロップ(HFCS)の利用可能性の関連を調べた地域相関研究に基づく。利用可能性はその国での生産量または輸入量のことで、消費量と自動的に関係するわけではない。
HFCSは多くの加工食品や飲料の甘味料として使われているがその使用や消費量は国により違う。この研究では最も多くHFCSを生産・販売している国が最も少ない国に比べて糖尿病の率が高いことを見いだした。HFCS利用度が最も少ない国での糖尿病の率が6.7%で、多い国では8.0%でその差は約20%である。
しかしながらこの研究にはいくつかの限界がありHFCS消費が糖尿病を増やしていることを証明するものではない。さらにこの研究では糖尿病の人がHFCSの摂取量が多いことを示したわけでもない。このような地域相関研究は有用ではあるが、関連を見るには他の食事要因や体重などと一緒に解釈されるべきである。
Mailの見出しで怖くなったビスケットが大好きな英国人は、英国での果糖シロップ摂取量は一人あたり1年間で0.38kgで、米国の24.78kgに比べると遙かに少ないことを聞いて喜ぶかもしれない。