食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

複雑なダイエットプランは必要ない−食べる脂肪の量を減らすだけ

No need for complicated diet plan – just eat less fat
Friday December 14 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/12December/Pages/No-need-for-complicated-diet-plan–just-eat-less-fat.aspx
Daily Mailの最新の見出しは「手の込んだダイエット方法はどぶに捨てて、ただ食べる脂肪の量をへらそう。体重を減らすには健康的な食生活が一番信頼できる方法だ」という。明らかにバターやチーズやフライのような脂肪の多い食品を減らすことは減量に役立つだろう。近年我々は、AtkinsダイエットからDukanダイエット、果ては原始人ダイエットまで、科学的根拠があると主張されるダイエットプランの洪水に見舞われている。しかしMailによれば、この新しい研究では複雑なダイエットの決まりや制限を一刀両断して単純で明確なメッセージを提供しているようだ:もし減量したいなら、食べる脂肪の量を減らすべきだ。
このニュースは食べる脂肪の量が体脂肪の量に与える影響を調べた大規模で質の高いレビューに基づく。このレビューは既に肥満や過体重の人たちだけを対象にしたかったわけではないので減量だけが目的の研究は除外した。また脂肪とともに総摂取カロリーも減らした試験も除外した。プールした結果は、総脂肪の少ない食事をした人たちの体重が、試験の終了時には普通の食事をしていた場合より1.6kg体重が少なかった。この影響は年齢や性別、開始時の体重、参加者の健康に関係ない。全体としてこのレビューは食事からの脂肪を減らすことが成人の体重を減らすことに役立つということの良い根拠となる。
元論文はBMJ
Effect of reducing total fat intake on body weight: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials and cohort studies
http://www.bmj.com/content/345/bmj.e7666
もともとの論文が欧米のものが多いために脂肪の摂取量は総エネルギーの28% から 43%がベースライン。
公衆衛生政策への提言として、脂肪の摂取量平均がエネルギーの30%以上になっている場合には肥満対策として集団での脂肪摂取量削減対策が試みられるべきであろう、としている。一方平均が30%以下の場合には増えないようにするのが役にたつかもしれない、としている。
(そもそも日本人にとって肥満が最優先課題というわけではないし)