食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 長期カルシウム摂取と全ての原因と心血管系での死亡率:地域ベースの前向き縦断コホート研究

Long term calcium intake and rates of all cause and cardiovascular mortality: community based prospective longitudinal cohort study
Karl Michaëlsson et al.,
BMJ2013;346:f228
http://www.bmj.com/content/346/bmj.f228
スウェーデンの1987-90年のマンモグラフィーコホート、61433人の女性を中央値19年フォローアップした。1日に600-1000mgのカルシウムを摂る群に比べて1400 mg以上の群は全ての原因での死亡(ハザード比 1.40, 95%信頼区間1.17 − 1.67),、心血管系疾患(1 49, 1.09 − 2.02)、虚血性心疾患(2.14, 1.48−3.09)率が高い。カルシウム錠剤の使用は平均すると関連はないが、1日に1400mg以上のサプリメントを使用している場合には全ての原因での死亡率が高い(ハザード比2.57、CI 1.19 -5.55).
結論として女性のカルシウムの高摂取量は全ての原因と心疾患系疾患での死亡率の高さと関連するが脳卒中とは関連しない

Low-arsenic rice discovered in Bangladesh could have major health benefits
12-Feb-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-02/ip-lrd021213.php
科学者がヒ素含量が少なくセレンと亜鉛の多い香り米を同定。Biomedical Spectroscopy and Imagingに発表。

JAMA
Prenatal Folic Acid Supplementation Associated With Lower Risk of Autism
http://media.jamanetwork.com/news-item/prenatal-folic-acid-supplementation-associated-with-lower-risk-of-autism/
JAMA. 2013;309(6):570-577
論文はまだembargoらしい

  • メラミン中毒に腸内細菌が関与?

ScienceNOW
Gut Bacteria Conspired in Melamine Poisonings
byElizabeth Pennisi on 13 February 2013
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2013/02/gut-bacteria-conspired-in-melami.html?ref=hp
2008年に中国でメラミン汚染ミルクにより30万人の乳児が病気になった。これに腸内細菌が関与することを示唆するラットの研究が報告された。
2007年に米国で中国産のメラミンを含むグルテンが原因のイヌやネコの腎臓結石が問題になった。2008年には乳児用粉ミルクのメラミンで乳児に腎臓結石ができた。
メラミンによる腎臓結石は通常メラミンとシアヌル酸の混合物で、石を作る引き金になるシアヌル酸は極微量で十分である。ペットフードにはメラミンとシアヌル酸の両方が入っていたが、乳児用ミルクからはシアヌル酸は検出されなかったので、最初は何故石ができたのか明確ではなかった。North Carolina大学のWei Jiaらは腸内細菌がメラミンをシアヌル酸に変換するのではないかと考えた。彼らはラットに抗生物質を与えて4日後からメラミンを投与すると石ができにくいこと、微生物Klebsiellaがメラミンをシアヌル酸に変えること、メラミン投与前にKlebsiellaを与えると腎障害が悪化することなどをScience Translational Medicineに報告した。