食品安全情報blog過去記事

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BPAと単離ニューロンについての専門家の反応

expert reaction to BPA and isolated neurons
February 25, 2013
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-bpa-and-isolated-neurons/
BPAが中枢神経系の発達に関与する遺伝子を抑制する可能性があるというマウスとラットとヒトの皮質神経細胞での研究がPNASに発表された
エジンバラ大学Richard Sharpe教授
100 nMのビスフェノールAに暴露した場合の神経細胞への明確な影響が示された。しかしこれは保守的推定でのヒトの暴露量の約10万倍で、ヒト健康影響には当てはまらないだろう。
‘Bisphenol A delays the perinatal chloride shift in cortical neurons by epigenetic effects on the Kcc2 promoter’ by Yeo, M. et al., published in PNAS on 25 February 2013

  • ABCニュース

ビスフェノールA神経細胞への影響は疑問
Bisphenol A impact on neurones questioned
Tuesday, 26 February 2013
http://www.abc.net.au/science/articles/2013/02/26/3698759.htm
Duke大学のMichele Yeo博士らの新しい研究で、培養ラット、マウス、ヒト神経細胞に直接BPAを与えたところ遺伝子発現にかく乱が見られた。オーストラリア全国有害物質ネットワークのMarian Lloyd-Smith博士はこの研究がBPAの「弔いの鐘」だと述べた。
しかしアデレード大学の分子薬理学者Ian Musgrave博士はヒトの暴露状況にはあてはまらないと言う。食品中の最大許容量で暴露された場合の量の何万倍もの高濃度である。キャンベラ大学のAndrew Bartholomaeus教授は、培養細胞とヒトの実際の脳は条件が違い、暴露経路がヒトに当てはまらないという。食品や飲料中のBPAは血流に入る前に代謝される。

(食品成分で通常食べる量の10万倍を培養細胞に加えて全く影響がないものなんてあるんだろうか)