食品安全情報blog過去記事

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GM製品への規制機関のアプローチについての専門家の意見

SMC
Experts on regulatory bodies’ approach to GM products
March 26th, 2013.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2013/03/26/experts-on-regulatory-bodies-approach-to-gm-products/
規制が緩いためにニュージーランドとオーストラリアに安全でない可能性のある遺伝子組換え製品が入ることを許している、という非難に、独立した専門家が反応した
カンタベリー大学バイオセーフティ統合研究センターのJack Heinemann教授らによる、いくつかの規制機関の、他の遺伝子を阻害する可能性のある分子(二本鎖RNA;dsRNA)を含む遺伝子組換え生物の評価方法を批判的に解析した研究がEnvironmental Internationalに発表された。この研究杖はdsRNAを産生するGM製品のリスクが適切に評価されていないと結論している。
SMCはこれについて科学者のコメントを集めた。コメントは受け取り次第このサイトに付け加えられる。
FSANZはSMCに対して現在科学者がこの論文について検討中で、反応を準備中だと語った。
アデレード大学オーストラリア植物機能ゲノミクスセンター最高経営責任者Peter Langridge教授
著者らが膨大な科学文献を無視し続け、この事例では常識すら無視していることは残念である。規制機関がdsDNAについて検討していないという主張はばかげている。私は実際にオーストラリアとニュージーランドの規制機関が企画したdsRNAやその他の技術について詳細に検討するためのワークショップに参加してきた。規制機関はこの技術について十分承知しているだけではなく、活発に安全性評価に科学的知見を取り入れている。我々は史上最も安全な食品を確保できている効果的で専門技量のある規制方法をもつオーストラリアとニュージーランドに住んでいて幸運である。
これはイデオロギーGM技術反対者が用いる典型的な怖がらせ戦略で、dsRNAが我々が普段食べているほとんどの食品中に存在し、基本的には害はないという事実を完全に無視する。この論文ではこのグループは、安全性ではなく技術を阻害するためにデザインされた規制を提案している。彼らの要求する情報は既にGM食品では得られているが著者らはそれを無視することを選んだ。私の意見ではこのグループの戦略は事実をゆがめ間違った情報を提供することである。彼らは情報を与えられた上での科学的議論には全く興味がないようである。オーストラリアでは、Carman博士が弁護士を使って科学的批判を封じ込めようとした。正しい情報が欲しい人はEFSAのウェブサイトを探すべきである。

メルボルン大学農業食料システム食品バイオテクノロジー微生物学上級講師David Tribe博士
私の反応は極めて単純である:この論文で議論されているdsRNAは我々が食べている全ての食品に、多分全ての動物と全ての植物に、何千年も存在している。何故GM食品だけが特別に注目されるのか不思議である。全ての植物に同じ疑問が当てはまり、安全性が審査されていないGMでない作物の方がもっと大きな問題だろう。