食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 子どもや青少年時代にCTスキャンを行った68万人のがんリスク:1100万人のオーストラリア人のデータ結合研究

Cancer risk in 680 000 people exposed to computed tomography scans in childhood or adolescence: data linkage study of 11 million Australians
John D Mathews et al.,
BMJ 2013;346:f2360
http://www.bmj.com/content/346/bmj.f2360
オーストラリアの医療保険記録で1985年1月1日に0-19才だった、あるいは1985年1月1日から2005年12月31日までに生まれた1090万人を同定し、そのうちで1985-2005年に医療保険によるCTスキャン暴露を同定した。このメンバーの2007年12月31日までのがんの診断データを全国がん登録の結合データから入手した。全部で60674のがん記録があり、がんの頻度はCTスキャン暴露のある人の方が暴露のないヒトより24%多かった。

エディトリアル
CT放射線のリスクがより明確に
CT radiation risks coming into clearer focus
BMJ 2013;346:f3102
http://www.bmj.com/content/346/bmj.f3102
メディアは24%の増加を大きく取りあげるだろうが一般的に子どものがんのベースラインは極めて低いことも重要である。従って24%増加といっても実数は少ない。著者は全体の過剰発がんリスクは1シーベルト当たり0.125件としている。

  • 尿中フタル酸は子どもの血圧の高さと関連

Urinary Phthalates Are Associated with Higher Blood Pressure in Childhood
Leonardo Trasande et al.,
J Pediatr
http://www.jpeds.com/webfiles/images/journals/ympd/PR-Trasande.pdf
NHANES 2003-2008の6-19才の尿中DEHPと収縮期血圧に関連がある
差は小さい
(たくさん食べるヒトはいろんなものの尿中量が多くなるので交絡がたくさんありそう)