食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース等

  • 漁網による海鳥の恐ろしい損害が明らかになった

Natureニュース
Terrible toll of fishing nets on seabirds revealed
29 May 2013
http://www.nature.com/news/terrible-toll-of-fishing-nets-on-seabirds-revealed-1.13084
カナダ東海岸の海鳥の集団が、1992年に刺網を取り除いてから増えたことが報告され、漁業の海鳥への影響について確実な根拠ができた。今月初めには別の論文で世界では年に40万羽の鳥が網に絡まって死んでいると推定している。

  • ヨーロッパの科学アドバイザーがもう一つの農薬をミツバチにリスクとなると見なす

Natureニュースblog
European science advisers deem another pesticide to be a risk to bees
28 May 2013
http://blogs.nature.com/news/2013/05/european-science-advisers-deem-another-pesticide-to-be-a-risk-to-bees.html
欧州委員会がミツバチの健康と関連するとされた3つの農薬の使用を厳しく制限することを確認したと時を同じくしてもう一つの化合物が注視されることになった。
ネオニコチノイドの2年間の制限は12月1日に発効する。しかし5月27日にEFSAはネオニコチノイドではない殺虫剤、フィプロニルのミツバチへのリスク評価を発表した。EFSAはフィプロニルがトウモロコシに使われた場合にダストのドリフトによりミツバチに「高い急性リスク」となるとした。ネオニコチノイドが制限されたのはEFSAの判断が根拠であり、フィプロニルについても同様の対応になるかどうかが注目される。

  • 本当? 生鮮食品は缶詰より栄養豊富

Really? The Claim: Fresh Produce Has More Nutrients Than Canned
By ANAHAD O'CONNOR
May 27, 2013
http://well.blogs.nytimes.com/2013/05/27/really-the-claim-fresh-produce-has-more-nutrients-than-canned/
事実
より安く健康的な食生活にする方法の一つは缶詰果物や野菜を取り入れることである。それは栄養を犠牲にしているか?
ありがたいことにそうではない。塩や砂糖を添加してなければ、冷凍や缶詰の製品は、生鮮品より良いとは言わないまでも十分栄養があることが研究で示されている。
生鮮品は輸送や店頭での展示、貯蔵中にビタミンなどを失う。缶詰にすることで失われるビタミン類もあるが缶詰の場合は含量が安定している。どちらでも良い。

  • アイルランドはタバコのプレーン包装を採用する世界で2番目の国になる

Ireland set to become second country in the world to introduce plain pack cigarettes
Tuesday 28th May 2013
http://www.dohc.ie/press/releases/2013/20130528.html
金曜日の世界禁煙デーを前に、政府がアイルランドにタバコのプレーン包装採用を承認したことを発表するのを喜ばしく思う。保健大臣Minister Reillyは述べた。
世界禁煙デーのテーマは「タバコの宣伝や販売促進、後援の廃止」である。プレーン包装はタバコ企業が恐ろしい商品を宣伝する最後の手段を奪うだろう。

(一方日本は
たばこによる健康影響を正しく理解しよう
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/kin-en/13.html
だって。)

Anti-GMO leaders withdraw from ‘Great Biotech Debate’; Forum will go on
Jon Entine | May 28, 2013 | Genetic Literacy Project
http://www.geneticliteracyproject.org/2013/05/28/anti-gmo-leaders-withdraw-from-great-biotech-debate-forum-will-go-on/
週末、米国や世界中で「モンサントに反対するデモ行進」が行われた。そのうちデンバーで開催されたものは、約200人と推定されるが主催者は5000人と予想している、反GMOリーダーJeffrey Smithの話を聞いた。
Jeffrey Smithは先週、6月4日に開催予定の「グレートバイオテクノロジーディベートへの参加を取りやめた。相手がSmithの反科学的主張の嘘を暴いているKevin Foltaであることを知ったからである。さらに科学者として参加を予定していたSeraliniも筆者(Jon Entine)がForbesに書いた多数の記事を見て議論はしないといって参加を取りやめた。
イベントは行われる。

  • トップ科学雑誌がハーバードのトップ栄養学者を叱責する

Forbes
Top Science Journal Rebukes Harvard's Top Nutritionist
Trevor Butterworth, 5/27/2013
http://www.forbes.com/sites/trevorbutterworth/2013/05/27/top-science-journal-rebukes-harvards-top-nutritionist/
世界で最も有名な科学雑誌のひとつであるNatureの、普通でないエディトリアルと特集で、ハーバード大学公衆衛生学部長Walter Willettを、公衆衛生の名の下に彼の主張と違う結論を出した人への不適切なふるまいをしていることについて、科学的結果を過剰に単純化していると戒めた。(http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20130527#p20
Willettは栄養関連ニュースで最も良く引用される学者であるが、過体重(肥満ではない)の人の方が正常体重の人より長生きという研究を発表した米国健康統計センターの疫学者Katherine Flegal を批判したことでルビコン川を渡った。彼はナショナル・パブリック・ラジオで「この研究はがらくたの積み重ね“pile of rubbish”で、これを読んで時間を無駄にすべきではない」と語った。
pile of rubbish”という言葉は肥満研究者や生物統計学者を怒らせた−Flegalらと同様の結果はこれまでにもあったしありそうなことだと考えられていたから。
Willettは昨年の秋に大きな議論を巻き起こして取り下げられた論文の共著者であったこともまた皮肉である。アスパルテームとがんの関連を示したとメディアで大々的に報道され、プレスリリースでは「人工甘味料についての真実はそれほど甘くない」と言っていたが、事実はそのような主張に根拠はないということであった。この論文は6つの雑誌に却下され、Willettが編集委員を務めるAmerican Journal of Clinical Nutritionに発表された。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20121026#p23
つまり、どんなに根拠薄弱でもWillettの関係した研究は公衆衛生上のメッセージを曇らせるものでも良くて、どんなに根拠がしっかりしていようとFlegalらの公衆衛生上のメッセージを曇らせるものは悪い。このようなダブルスタンダードは科学にとって問題である。

  • 両親が長生きの子どもはがんになりにくい

Children of long-lived parents less likely to get cancer
28-May-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-05/uoe-col052813.php
長生きの親(定義は母親91才以上父親87才以上)の子どもは平均的寿命の親の子どもに比べて長生きでがんや糖尿病や脳卒中になる率が低い。義理の親ではそのような関連はない。The Journals of Gerontology: Series Aに発表された。

  • 子宮内低用量BPA暴露による性特異的エピジェネティック撹乱と行動変化

Sex-specific epigenetic disruption and behavioral changes following low-dose in utero bisphenol A exposure
Marija Kundakovic et al.,
PNAS May 28, 2013
http://www.pnas.org/content/early/2013/05/24/1214056110.full.pdf+html
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20130528#p8の件。
(著者はDepartment of Psychology,
定量RT-PCRエストロゲン受容体の遺伝子発現をみているが、最大でも1.5倍であまり意味がなさそう。メチル化も特に傾向があるようでもなく実験のばらつきに有意差つけてるだけに見える。行動観察の結果はさらにわからない。ばらばらな点に無理矢理線を引く?
これを根拠に何を言えるんだろうか?
PNASはメディアが報道してからオンライン発表まで3日くらいかかるので対応しにくいのが難)