食品安全情報blog過去記事

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Berkeley Wellnessより

  • 食品中のアクリルアミド:ポテトチップスのTips

Acrylamide in Food: Chip Tips
Berkeley Wellness July 01, 2013
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/acrylamide-food-chip-tips
スウェーデンの科学者が初めて高温で加熱したでんぷんの多い食品中に発がん性が疑われるアクリルアミドについての懸念を発表してから10年ほどになる。アクリルアミドは揚げたり焼いたりトーストしたりするとアミノ酸であるアスパラギンと天然の糖類が反応してできる−高校の化学の授業でメイラード反応を習ったことを思い出すだろう。
ポテトチップスやフライドポテトなどのジャガイモを揚げた製品にアクリルアミドが多いことが一貫して示されている。しかし朝食シリアルやクラッカー、パンなどからも量は少ないが検出されている。食べる量が多いので結局朝食シリアルを含む健康的な食生活のほうがフライドポテトやポテトチップスを食べる食生活の場合よりアクリルアミド摂取量が多くなる。アクリルアミドはローストナッツ、ピーナッツバター、オリーブ、ドライフルーツ、コーヒーなどにも含まれる。食事以外ではタバコの煙や、量は少ないが飲料水にも含まれる。
アクリルアミドは動物実験の結果からヒト発がん性がある、あるいは発がん性の可能性が高いとみなされ、高い職業暴露では神経毒である。しかしヒトがんについての研究では一貫した結果は見られていない。アクリルアミドの健康影響についての研究は難しい。ヒトの食事摂取量調査は不正確であることで悪名高く、さらに同じ食品でもアクリルアミド含量は大きく異なる。多くの場合アクリルアミドは食品中に普通に存在するため摂取量の低い群と高い群にあまり差がない。また食事由来と食事以外由来の区別ができない。
企業はこの問題を重大に受け止め削減のための対策をとっている。FDAや欧州当局がモニタリングを行っているが企業による削減努力は明確な結果を出せておらず、推定摂取量は2005年と2010年で差がない。
さらなる研究が必要ではあるが摂取量を減らすのは良いアドバイスであろう。ジャガイモを焼いたり揚げたりする時は金色になるまでにして褐色にはしない、トーストを黒こげにしない、コーヒーは深煎りではなく浅煎りにするなど。
しかし全てのアクリルアミドを避けることはできないし避ける必要もない。数千年前に調理が発明されて以来、人類はずっとヘテロ環状アミンなどの他の発がん物質と一緒にアクリルアミドを食べてきた。ほとんどの食品には発がん促進物質と発がん抑制物質が含まれる。がんを予防するならタバコを吸わないなどの他の方法を頑張った方がよい。
(ちなみに他の方法、というのは、タバコを吸わない、体重管理、運動、健康的食生活、直火による高温調理肉を避ける、酒を減らす、日光に注意、CTスキャンを受けすぎない、自宅のラドンの検査、飲料水のヒ素検査、労働環境、自動車の排ガスなどの大気汚染暴露を減らす、室内で火を使うときには換気をしてキャンドルやお香は使わない)

  • グリルは健康ハザード?

Is Grilling a Health Hazard?
by Berkeley Wellness July 01, 2013
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/grilling-health-hazard
炭水化物の多い食品を高温で調理したときアクリルアミドができる。しかし問題はそれだけではない。肉のグリルやその他の高温調理はヘテロ環状アミン類と呼ばれる発がん性の疑われる物質を作る。さらに脂肪が火の元におちると煙が出て多環芳香族炭化水素という危険な化合物で肉を覆う。最悪なのは脂肪の多い肉をしっかり焼いたものである。リスクを減らすためには:
・脂肪の少ない肉を選ぶ
・焼く前にマリネする、植物油や酸はHCAを減らし砂糖は増やす
・電子レンジやオーブンで予め調理しておいて仕上げにグリルする
・火を小さく
・炭の上に肉を置かない
・遠火にする
・焦げないようにする
・野菜だけ食べる
・煙を吸わない