Arsenic in Rice and Rice Products
Page Last Updated: 09/06/2013
http://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/Metals/ucm319870.htm
ヒ素は環境中に天然物質としてあるいはヒトの活動による汚染の結果として存在する。食品中にはヒ素は無機(毒性が高い)あるいは有機ヒ素として存在する。FDAは何十年も食品中のヒ素レベルについて監視してきたが、2011年から検査を強化している。
FDAは2013年9月6日に、米国市場のコメ及びコメ製品を摂取することに関連するヒ素由来リスクの理解と管理のための努力の一環として、約1100件の新しいコメ及びコメ製品の分析結果を発表した。これは2012年9月に発表した約200検体の結果に加わるものである。
- FDAのコメ及びコメ製品分析についての声明
検査の結果、検出された量は直ちに、あるいは短期の有害健康影響を引き起こす量より遙かに低い。FDAは今後は長期暴露による長期リスクとその管理方法について中心に検討する。
FDA Statement on Testing and Analysis of Arsenic in Rice and Rice Products
http://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/Metals/ucm367263.htm
FDAは現在進行中の食品の安全性を監視する事前予防的努力の一環として、コメとコメ製品のヒ素についての約1300検体の検査結果を発表した。
検査した製品によりレベルは相当違うが、検出されたヒ素濃度は直ちに、あるいは短期の有害健康影響を引き起こす量より遙かに低い。
この新しいデータは米国市場のこれらコメ製品を摂取することに関連するヒ素由来リスクの理解と管理のための現在進行中の努力の最新のものである。
FDAはコメのヒ素について20年以上監視してきていて、コメの総ヒ素濃度が変化しているという根拠は見られていない。現在我々は食品中に存在する異なる種類のヒ素についてより特異的に知るツールをもっている。
コメは多くのヒトにとって一生に渡る主食であるため、FDAは次はこの新しいツールを用いて極微量のヒ素の長期暴露について検討する。
妊娠女性や乳幼児を含む消費者へのFDAの助言は、栄養のためと、どのようなものでも特定の食品を過剰に摂取することによる有害影響の可能性を最小化するために、バランスのとれた食生活をすることである。この助言は、長い間保護者に向けて乳幼児にはバランスのとれた食生活の一環として多様な食品を与えるべきであるとしてきた米国小児科学会によるガイダンスと一致する。
データ収集の結果
ヒ素は天然物質としてあるいはヒトの活動による汚染の結果として環境中に存在する。水、空気、土壌、食品中に存在する。食品中ではヒ素は無機ヒ素(最も有害な形態)と有機ヒ素として存在する。両者を併せて総ヒ素という。
FDAは2012年に1300以上の検体を検査し、最近各種コメ(例えば白米、ジャスミン、バスマティ)、乳幼児用シリアル、パスタ、穀物ベースのバー、スナック、クッキー、ペストリー、デザート、プリン、ビール、酒、ライスウォーターを含む飲料についても検査した。一食の量は製品の種類によって様々である。全部で検体は米国で消費されているコメ及びコメ製品のほとんどをカバーしている。
コメについては、一食あたりの平均無機ヒ素濃度は2.6から7.2 microgで、インスタントご飯が最も低く玄米が最も高い。コメ製品の中では、幅広いが、一食あたりの平均無機ヒ素濃度は0.1から6.6 microgで、最も少ないのは乳児用ミルク、多いのはライスパスタであった。これらの量は直ちに、あるいは短期の有害健康影響を引き起こす量より十分低い。検査結果の要約はコメのヒ素メインページから入手できる。
検査数は米国市場で販売されているコメ及びコメ製品の平均ヒ素濃度を正確に推定するのに十分であるが、特定のブランドの製品を評価するのには十分ではない。さらに一部の企業は異なる産地のコメを使っており同じブランドでも時期によってヒ素濃度は違う可能性がある。そのためブランド名を報告することに意味はないと結論した。
次のステップ
FDAはコメにヒ素についての定量的リスク評価論文を知らない。FDAはコメとコメ製品からどれだけヒ素を摂取しているのか、ある種の集団に健康影響についての多様性はあるのかを検討してリスク評価を行うつもりである。
現在リスク評価案を作成中で、ピアレビュー後に公表される。完了したらFDAがさらなる対策が必要かどうかを決めるのに役立てるだろう。
それまで、FDAは企業や連邦機関、農業コミュニティ、消費者団体などと情報交換を継続する。
さらにFDAは乳幼児製品のデータを充実させるため追加の検査を行う。
消費者向け助言
現在入手可能なデータと化学文献に基づき、FDAは消費者に以下のように助言する。
・バランスのとれた食生活をすること。妊婦や乳幼児を含む全ての消費者は、栄養のためと、どのようなものでも特定の食品を過剰に摂取することによる有害影響の可能性を最小化するために、バランスのとれた食生活をするよう薦める。この助言は、長い間保護者に向けて乳幼児にはバランスのとれた食生活の一環として多様な食品を与えるべきであるとしてきた米国小児科学会によるガイダンスと一致する。
・穀物はいろいろなものにする。コメ、米粉、あるいは玄米シロップはクッキーやグルテンフリーパスタ、赤ちゃん用ビスケット、ビールなどいろいろな食品に使われている。FDAは企業に対し多い順で成分表示を求めており、消費者には成分表を見るよう勧めるコメ同様他の穀物−小麦、大麦、オート麦、は栄養のある穀物であり食生活の多様化に役立つ。保護者は乳幼児が週当たりにコメを食べる回数を減らすために他の穀物でできたシリアルを使うことができる。
・子どもの食品はいろいろなものにすること:FDAは定期的にコメ製品を食べる子どもがいること、伝統的に多くの乳児の最初の固形食品がコメであることを認識している。米国小児科学会によると、コメが離乳食として他の穀物に比べて何らかのメリットがあるという根拠はなく、乳児はいろいろな穀物を食べることにより利益を得られるであろう。
- 消費者向け情報
FDAはコメのヒ素の影響を探る
FDA Explores Impact of Arsenic in Rice
09/06/2013
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm352569.htm
FDAはコメとコメ製品のヒ素が公衆衛生リスクとなるかどうかについて知るための大きなステップを踏み出した。FDAはコメとコメ製品1300検体を集め、総ヒ素と、より毒性の高い形態である無機ヒ素の両方を調べた。FDAの科学者は検体中の無機ヒ素濃度は急性健康障害をもたらすには低すぎると結論した。
コメの平均無機ヒ素濃度は一回提供量当たり2.6から7.2マイクログラムで、インスタントライスが最も低く玄米が最も高い。コメ製品については、平均無機ヒ素濃度は一回提供量当たり0.1から6.6マイクログラムで、乳児用ミルクが最も低くライスパスタが最も高い。(マイクログラムは1グラムの100万分の1で、一回提供量は製品の種類によって異なる)
しかし長期影響についてはどうだろうか?コメは人々が一生に渡って食べ続ける食品である。
FDAは次のステップとして包括的リスク評価を行う、とFDAのCFSANの毒性シニアアドバイザーSuzanne C. Fitzpatrick博士は説明する。コメ及びコメ製品を食べることによる健康リスクの解析は、将来のFDAの対応の基盤となる。次の段階は、暴露量を調べ、リスクを解析し、子どもや妊娠女性を含む感受性の高い集団を含む消費者全体の安全性のためにどうすればリスクを最小化できるか決めることである。
「我々は一歩一歩着実に進み、アプローチの方法に忠実でなければならない。」とMichael R. Taylor食品動物用医薬品副長官は述べる。「我々は科学を置き去りにすることはできない」
何故コメ?
強調しなければならないのは、ヒ素は天然に存在する汚染物質で、土壌や水に含まれるため食品にも存在するということだ、とFitzpatrick博士は言う。それを市場から排除することはできない。
ヒ素は地殻に分布する元素である。燃料を燃やしたり採鉱したり農薬としてヒ素化合物を使ったりすることでも環境中のヒ素は増える。しかしもしヒトの活動が全て無くなったとしても食品中のヒ素は無くならない。
そしてコメは特にヒ素に影響されやすい。コメは水田で育てられヒ素を吸収する。コメには他の食品よりヒ素が多い。FDAは食品中のヒ素濃度を20年以上監視しているが、検査方法の進歩によりより詳細な情報が得られるようになった。
これまでの経緯
FDAの消費者安全担当職員は国中の小売店から検体を集めた。コメそのもの以外に、シリアル、もち、飲料、スナックバー、乳幼児用食品などアメリカ人が食べるほとんどの種類のコメベース製品をカバーしている。そしてFDAの研究室や一部委託機関で分析した。実験室で作業する人たちには「スペシエーション(化学形を同定すること)」とよばれる新しい化学分析法の訓練を行う必要があった。この検査法で単に有機か無機かだけではなく、検体に存在する全ての異なるヒ素の化学形を調べることができる。これは極めて複雑な作業で多くの人員を必要とする。我々は最良の科学的答えを得るために大変な努力をした、とFitzpatrick博士は言う。
一方FDAは別の方法でヒ素について研究している。研究者らはチリ、台湾、バングラデシュなどの高濃度のヒ素に暴露されている国の人々での研究を吟味した。がんや糖尿病、心血管系疾患などの発症率を調査した。これらの高濃度暴露文化でのデータがアメリカの消費者に当てはまるかどうか検討しなければならない。
次は?
次はリスク評価である。これらの情報は全てFDAのリスク管理者により検討される。専門家はコメ製品中のヒ素のハザードと人々がどれだけ暴露されているかを検討する。リスク評価チームはある種の集団がライフスタイル要因(コメをたくさん食べる人種)やライフステージ(妊娠女性や子ども)により、よりリスクが大きいかどうかについても検討する。
そしてコメのヒ素の公衆衛生リスクを評価するだろう。
リスク評価の完了には数ヶ月かかるだろう。専門家のレビューを経て、評価案をパブリックコメントにかける。これは我々にとって重要な問題なので、消費者はできる限り最良の情報を必要とする、とFitzpatrickは言う。
FDAはUSDA、EPA、NIEHS、CDCなどの他の連邦機関や企業の科学者、消費者団体、その他とコメのヒ素について協力し、栽培や加工方法の変更によりヒ素が減らせるかどうかなどのような方法を評価している。
さらにFDAは全ての乳幼児用製品のヒ素濃度についてのデータを拡充するために追加のサンプリングを行っている。
消費者がすべきことは?
・バランスのとれた食生活
・穀物は多様なものを
・乳児の最初の固形食にはコメ以外のものを検討
- Q & A
Questions & Answers: Arsenic in Rice and Rice Products
http://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/Metals/ucm319948.htm
更新
食品中のヒ素
ヒ素とは何か
ヒ素には異なる種類のものがあるか
何故食品にヒ素が含まれるのか
オーガニック食品はヒ素濃度が少ないか
「コメ製品」とは何か
コメのヒ素についてFDAは何をしているか
ヒ素暴露による健康リスクは何か
FDAは食品中のヒ素を調べているか
コメのヒ素についてFDAは何をしたか
FDAのコメとコメ製品のデータは何を示しているか
コメの産地について何が言えるか
コメのヒ素についてFDAは次に何をするか
コメやコメ製品のヒ素基準を設定する予定か
FDAのリスク評価はいつ終わるか
消費者がすべきこと
FDAはコメとコメ製品を食べることについて消費者に何を勧めるか
どんな食品でも食べ過ぎることなくバランスのとれた食生活をすること
コメは食べても安全か?子どもにも?
乳児のコメシリアルについては?
食道逆流傾向にある乳児は乳児用コメシリアルが飲み込みやすいためよく食べる。これらについてFDAはコメの代わりに何を薦めるか?
小麦、大麦、その他穀物のシリアルでも同様の効果がある。子どものニーズにとって最良のシリアルを選ぶには小児科医に相談すること。
コメのヒ素を減らすために消費者ができることは?
いろいろな種類の穀物を含むバランスのとれた食生活をすること
On Farms and in Labs, FDA and Partners Are Working to Get Answers on Arsenic in Rice
Posted on September 6, 2013 by FDA Voice
By: Margaret A. Hamburg, M.D.
http://blogs.fda.gov/fdavoice/index.php/2013/09/on-farms-and-in-labs-fda-and-partners-are-working-to-get-answers-on-arsenic-in-rice/
今週私は同僚と、コメのヒ素について直接学ぶためにカリフォルニアに行った。コメは他の食品のように、水や空気や土壌に存在する元素である微量のヒ素を含む。しかしコメは他の作物より多くヒ素を吸収する。FDAは何十年もコメを含む食品のヒ素濃度を監視してきた。
9月4日水曜日に我々はコメの品質と安全性を改善するための研究をしている施設に行った。そしてカリフォルニア米の生まれた場所として知られる、サクラメント北部のRichvaleの歴史的農業共同体を訪問した。
各地で私は公衆衛生への真の貢献を見た。世界中の人々が多様な食生活の一環としてコメやコメ製品を食べ続けることができるようにリスクを最小化するための目標に向かっていた。
本日FDAは1300検体以上のコメ及びコメ製品についての検査結果を発表した。我々は無機ヒ素濃度は急性あるいは短期健康リスクとはならないことを見いだした。この情報をもとに長期健康影響について現在FDAが検討中である。
我々のカリフォルニア訪問は、USA Rice Federationを含むコメ企業からの招待で、これまでのアーカンソーとミズーリに次いで三番目の事実を見つけるための訪問である。私(FDA長官)と、Michael Taylor食品動物用医薬品副長官、USDAのARS地方長官Andy Hammondが同行した。
水曜日は最初にカリフォルニア共同コメ研究財団が運営するビッグスの米実験施設に行った。この施設を見て企業を含む全ての関係者の、ヒ素がどうやってコメにはいるのかどういう栽培方法なら減らせるのかについて理解しようという意志の強さを感じた。午後はRichvaleで30年以上農業をしている家族を訪問し、オーガニックコメ農家のいろいろなアプローチについて学んだ。農家は彼らの仕事に誇りをもっていた。彼らの努力と直面している課題を理解したいという熱望に打たれた。コメは彼らにとって単なる作物ではなく生き方であった。
9月5日は数百のコメを検査しているAlamedaにあるFDAのラボを訪問した。FDAの科学者がスペシエーション方法を開発した。
これらはどういう意味があるか?一人の母親として、私はあなた方が「子どもたちに食べさせるべきか?」と自問することを想像できる。我々の最良の助言は、米国小児科学会の助言と同様であるが−多様な穀物を含むバランスのとれた食生活をすること、である。
われわれはまだ全ての答えをもっていないが、答えを得るために働いている。農家や企業や大学やその他公衆衛生機関と協力して、コメにヒ素による長期健康リスクを知りどうすればリスクを減らせるかについて知るためにできる全てのことを行っている。
コメのヒ素は世界的健康問題である。我々が探している答えは、究極的には世界中の消費者を守るであろう。
- 検査結果の詳細データ
http://www.fda.gov/downloads/Food/FoodborneIllnessContaminants/Metals/UCM352467.pdf
(日本のコメは入っていない。ライスワイン(酒)は日本のもあるかもしれないが、酒にもヒ素は検出されている。アメリカで鏡餅を売っているのは日本人向けなんだろうか。コメの場合有機ヒ素といってもDMAなので、無機ヒ素だけで判断できるかどうかは微妙かも)