食品安全情報blog過去記事

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プロバイオティクスカブ漬け物が「インフルエンザの魔法の治療薬」とうたわれる

Behind the Headlines
Probiotic pickled turnip touted as ‘flu wonder cure’
Wednesday November 6 2013
http://www.nhs.uk/news/2013/November/Pages/Probiotic-pickle-turnip-touted-as-flu-wonder-cure.aspx
Daily Expressの一面の見出しが「キラーインフルエンザの魔法の治療薬」だった。新聞があなたに伝えないことは、その治療薬−すぐきにいる細菌−はマウスでしか実験されていないということである。この見出しはインフルエンザウイルスに感染させる前に14日間すぐきの細菌KB290抽出物を与えられたマウスではその後7日間のインフルエンザの症状が軽かったという実験に基づく。体重減少が少なく一般的健康状態が不活性なプラセボ群より重症ではなかった。しかし日本の漬け物抽出物を与えられたマウスも7日目には体重が20%減少し健康状態も悪かった。従ってマウスは治ったのではなく病状が少し軽かっただけである。さらにマウスはヒトではない。ヒトで効果があるかどうかは不明だし有害影響があるかどうかもわからない。従ってこれをもとに魔法の治療法というのは率直に言って誤解を招くものである。