食品安全情報blog過去記事

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「安全」レベルの大気汚染でも有害

Behind the headlines
'Safe' levels of air pollution could still be harmful
Monday December 9 2013
http://www.nhs.uk/news/2013/12December/Pages/Safe-levels-of-air-pollution-could-still-be-harmful.aspx
Independentが「EUの大気規制は我々を汚染から守るにはまだ緩すぎる」と報道した。車や工場排気中の有害煤煙から人々を守るには大気規制は十分ではない可能性があるという。
汚染物質は粒子状物質PMというシステムを用いて個々の要素の大きさに基づいて測定されている。一般的にPMの数字が小さい方が、人体に入って肺や心臓に問題をおこす可能性が高いために危険性が高い。新聞が報道した研究は、367251人の22のヨーロッパの研究を合わせて、PM2.5が1立方メートルあたり5microg増えるごとに7%死亡率が増加することを報告した。これは各種の社会経済、健康、ライフスタイル要因を考慮した後でもそうであった。現在のヨーロッパのPM2.5規制値以下でもリスクの増加が認められた。この知見は、これまで「安全」とみなされていた暴露量でも有害であることを示唆するため問題である。特定の死因との関連についてのさらなる解析が計画されており、その結果が生物学的関連があるのかどうかを知るのに役立つだろう。
Beelen R, Raaschou-Nielsen O, Stafoggia M, et al. Effects of long-term exposure to air pollution on natural-cause mortality: an analysis of 22 European cohorts within the multicentre ESCAPE project. The Lancet. Published online December 9 2013
EUのPM 2.5規制値は年平均で25 micrograms per cubic metre、WHOは10。
(日本は15らしい)