食品安全情報blog過去記事

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Lancet

  • 患者の健康不安の認知行動療法の臨床及び費用対効果:マルチセンター無作為対照試験

Clinical and cost-effectiveness of cognitive behaviour therapy for health anxiety in medical patients: a multicentre randomised controlled trial
Peter Tyrer et al.,
The Lancet, Volume 383, Issue 9913, 18–24 January 2014, Pages 219–225

コメント:健康不安への認知行動療法
Cognitive behaviour therapy for health anxiety
Chris Williamsa, Allan Houseb
The Lancet, Volume 383, Issue 9913, 18–24 January 2014, Pages 190–191
一般的医療に不安や情動の問題があるのは驚くことではないし、存在しない重大な疾患への不安も珍しくはない。その用語には流行があり、最近では健康不安や心気症(ヒポコンドリア)と呼ばれる。DSMの用語集同様、診断の閾値は低く、頻度は医療の現場では15-20%とされる。疾患がないにもかかわらず、患者は症状に苦しみ、その原因や治療法を探るために多くのリソースを費やす。根拠がそれほど強いものではないにも関わらず認知行動療法が最も広く薦められているのもまた驚くことではない。通常精神科へのアクセスは悪く資格のある実践者は不足していて長い待ちリストがある。従って短期間でできないかについて関心がもたれている。Peter Tyrerらは健康不安に対して強度の低い短期の簡単な介入が効果がある可能性を示した。

  • 1990-2010年の世界および地域の脳卒中負荷:GBD 2010の知見

Global and regional burden of stroke during 1990–2010: findings from the Global Burden of Disease Study 2010
Valery L Feigin,
Volume 383, Issue 9913, 18–24 January 2014, Pages 245–255
10月にオンライン発表

コメント:21世紀の世界の脳卒中の光景
The worldwide landscape of stroke in the 21st century
Maurice Giroud et al.,
The Lancet, Volume 383, Issue 9913, 18–24 January 2014, Pages 195–197

The Minamata Convention on Mercury: risk in perspective
Heidi J Larson
The Lancet, Volume 383, Issue 9913, 18–24 January 2014, Pages 198–199
2013年10月10日に、1956年に最初の水俣病患者が同定された日本の熊本で、文書に署名された。水俣条約は過去の教訓に学び、将来のためのものである。しかし世界の水銀排出抑制は新たな課題である。一つのリスクを下げると他のリスクがあがる可能性がありどの対策も全体を眺めながら行う必要がある。例えば金の採掘をやめることは大きな経済的損失になる。大きな魚を食べないようにすることも漁業や栄養に影響はある。ワクチンからチメロサールを除去すれば貧しい国でワクチンが不十分になるだろう。水俣条約の履行は簡単ではない。