食品安全情報blog過去記事

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ワインとチョコレートは「糖尿病対策」にならないだろう

Behind the headlines
Wine and chocolate may not 'beat diabetes'
Monday January 20 2014
http://www.nhs.uk/news/2014/01January/Pages/Wine-and-chocolate-may-not-beat-diabetes.aspx
Sky Newsウェブサイトの「チョコレートと赤ワインは糖尿病に打ち勝つ」という見出しは誤解を招き有害である可能性がある。報道されている研究は実際にはワインやチョコレートに含まれるフラボノイドと呼ばれる特定の化合物についてである。その研究ではフラボノイドの多い食生活をしている女性の2型糖尿病に関連する生物学的兆候がフラボノイドの少ない食事の女性より少ないことを見いだした。しかしフラボノイドはワインやチョコレートにのみ存在するわけではない。この研究は横断研究でありフラボノイドが糖尿病発症リスクを下げることを証明できない。フラボノイドの多い食生活をしている女性のライフスタイルがより健康的である可能性もある。直接の因果関係を調べることができるのは良くデザインされ実施された二重盲検無作為対照試験のみである。また調べているのはインスリン耐性であって糖尿病ではない。この研究はワインを飲み過ぎたりチョコレートをたくさん食べることを薦めるものではない。仮に糖尿病予防効果があったとしても既に知られているアルコールや砂糖や脂肪のとりすぎによる害の方が大きいだろう。