- なぜあなたはWikipediaではなくあなたの主治医を信頼するべきなのか
Why You Should Trust Your Doctor, Not Wikipedia
Tuesday, May 27, 2014
Source: The Journal of the American Osteopathic Association
http://news.sciencemag.org/sifter/2014/05/why-you-should-trust-your-doctor-not-wikipedia
Wikipediaに書いてあることを全て信じないように、特に健康に関しては。研究者らが喘息や変形性関節症、糖尿病、心疾患などを含む病気についてのウエブサイトの10の記事をピアレビューのある研究論文と比較した。10件中9件で酷い間違いをみつけた。この研究はBBCが報道しThe Journal of the American Osteopathic Associationに発表された。
(Wikipediaはまだましなほうで、ウェブには嘘情報が溢れている)
- 高脂血症成人の心血管系リスク要因と体重に与える6ヶ月の低炭水化物完全菜食主義(エコアトキンス)ダイエットの影響:無作為対照試験
Effect of a 6-month vegan low-carbohydrate (‘Eco-Atkins’) diet on cardiovascular risk factors and body weight in hyperlipidaemic adults: a randomised controlled trial
David J A Jenkins
BMJ Open 2014;4:e003505
http://bmjopen.bmj.com/content/4/2/e003505.abstract?sid=3fafb503-47cc-4d73-a17d-f771d8ae0bee
カナダの39人の男女での研究。低炭水化物食は大豆製品やグルテン、ナッツ類、植物油を多く摂り、総エネルギーに対する炭水化物の割合26%、タンパク質31%脂質43%。高炭水化物は炭水化物58%、タンパク質16%脂質25%。
結果として6ヶ月間の試験を完了したのは23人で低炭水化物群は6.9kg高炭水化物群は5.8kgの減量。LDL-Cやトリグリセリドなどの指標は低炭水化物のほうが大きく下がった。
(これのおもしろいところは高炭水化物菜食主義というのが日本で和食推進派が「理想的」と主張している構成比に近いこと。それよりタンパク質と油をもっと摂った方が血中脂質には良い影響があるだろう、というのはこれまでの研究からも想定されてきたことではある)
- がんセンターは人々に何を宣伝しているか?内容分析
What Are Cancer Centers Advertising to the Public?: A Content Analysis
Laura B. Vater et al.,
Ann Intern Med. Published online 27 May 2014
http://annals.org/article.aspx?articleid=1874737
米国の消費者向け雑誌やテレビでのがんセンターの宣伝内容を分析した。2012年の、合計102のがんセンターによる409の広告が対象。がん検診(18%)や支持的サービス(13%)よりがん治療(88%)の宣伝が多く、リスクよりメリットを多く宣伝(27% vs. 2%)し定量的なものはほとんどない(2%)。費用を示したのはわずか5%、保険についてはどれも言及していない。情動に訴えるものが85%、がん治療を戦いや飛行にたとえて(41%)、生きる希望を喚起し(61%)、恐怖を誘発する(30%)。広告の半分は治療が成功した人の体験談を含み、免責事項を含むのは15%、典型的な患者がどうなるかを説明したものはひとつもない。
インターネットの広告は評価対象にしていない。
(日本では一般向けにこの手の宣伝をすることはできない。けれど規制改革会議が狙っているのは患者に過剰な期待を抱かせて高額な治療?をどんどんやらせて金儲けするということ。患者は期待するに決まっているし医師も新しい方法には期待がある。明示的悪意が無くても詐欺的帰結になりうるし悪意があればさらに悲惨。医者が本気で騙しにかかったらインチキ健康食品レベルではすまない)