食品安全情報blog過去記事

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残留農薬基準遵守率は三年連続97%以上

Pesticide residue adherence rates above 97% for third consecutive year
20 May 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/140520.htm
食品中農薬の欧州規模の最新モニタリング計画で検査されたサンプルの97%以上が許容限度内だった、と欧州食品安全機関(EFSA)は述べた。この結果は27のEU加盟国・ノルウェーアイスランドの食物の残留農薬に関する第5回年次報告の一部である。EFSAの農薬ユニットによる報告は2011年に国家食品機関が行った79000以上の食物サンプルの分析に基づいている。

The 2011 European Union Report on Pesticide Residues in Food
EFSA Journal 2014;12(5):3694 [511 pp.]. 20 May 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3694.htm
この報告は2011年に欧州29か国(27加盟国とEFTA 2か国)で実行された食物中の残留農薬に関する管理活動の結果を示している。この報告は食事のリスク評価も示している。結果の詳細分析に基づき、EFSAは欧州残留農薬規制の施行改善を目的としたいくつかの勧告を行った。2011年は欧州全体で600以上の食品の79000検体以上の残留農薬検査が行われた。約900の農薬が分析され、400未満が測定可能な量で検出された。12000以上の検体を扱ったEU協調モニタリング計画の枠組みでは、分析された食品検体の98.1%が法の限度に従い、検体の53.4%には測定可能な残留農薬が全く含まれていなかった。消費者の長期暴露を推定するために行われた食事リスク評価では、評価された171の農薬の99%には食事による消費者の長期健康リスクはないと確認した。2つの農薬(ディルドリンとヘプタクロル)の暴露推定が毒性参照値を超え、消費者の健康に影響を与える可能性が指摘されている。どちらの化合物も農薬として使用が認可されていないが、これまでの使用経験・難分解性・生物濃縮によって、まだ食品チェーンに存在している。短期暴露に焦点を当てたリスク評価では高濃度の残留農薬を含む製品を大量に消費した場合の253の事例で消費者の健康懸念の可能性を除外できなかったことを明らかにした。最後に、同じ毒性影響のある複数の農薬残留物を含むナシの急性リスク評価が実施された。ナシの2つの検体が累積影響の毒性学的閾値を超えていた。