食品安全情報blog過去記事

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GM蚊がマラリアと闘う−専門家の反応

SMC
GM mosquitoes to tackle malaria – experts respond
June 12th, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/06/12/gm-mosquitoes-to-tackle-malaria-experts-respond/
主に雄が生まれるようにする遺伝子の調整が病気の拡大を防ぐ可能性がある
英国の研究者が雄の蚊によるX染色体の伝達能力に干渉するシステムを開発した。この方法では籠に入れた野生の蚊の子どもの95%が雄になり、集団の大きさを効果的に抑制できた。Nature Communicationsに発表された。
UK SMCが専門家のコメントを集めた
Oxford大学動物学リーダーMichael Bonsall博士
これはとても素晴らしい仕事だ。マラリアの拡大を抑制するのに役立つ可能性があるがまだ先は長い
Pirbright Instituteベクターにより運ばれるウイルス疾患グループリーダー Luke Alphey博士
大きな前進であるが目標はもっと壮大である

  • 携帯電話の受精への影響−専門家の反応

Mobile phone fertility impacts – experts respond
June 12th, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/06/12/mobile-phone-fertility-impacts-experts-respond/
新しい研究で、携帯電話をズボンのポケットに入れている男性は父親になる能力に悪影響があることを示した。しかし独立した専門家はこの研究の知見の臨床的意味を疑っている。
問題の研究はEnvironmental Internationalに発表された10の研究の系統的レビュー。
UK SMCが専門家のコメントを集めた
Queen’s University Belfast の生殖医療教授Sheena Lewis
この研究は人数が多いものの異なるデザインの多くの違いのあるものを集めたもので注意が必要である。ある研究はin vivo、あるものはin vitro、対象は不妊男性だったり一般人だったりである。さらに精子の運動性の8%減少は男性の生殖能力全体にとって意味はないであろう
Queen’s University Belfast のNeil McClure産婦人科教授
この論文は小規模研究をまとめたものであるが質は低く欠陥がある。不妊クリニックに通っている男性の自己申告による携帯電話の使用は情報として正確ではなく評価が難しい。
Sheffield大学男性病学上級講師Allan Pacey博士
この件について狂ったような警鐘を鳴らすメディアの見出しがある。しかしこの研究には限界がある。皿に入れた精子に携帯に使われている周波数を照射したという実験は現実的ではない。メタ解析は良い方法ではあるがこの場合はポケットに入れた携帯のリスクを推定するのに使えない