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鉛の健康影響についてのペーパー案を意見募集のため発表

国立保健医療研究審議会NHMRC
Draft paper on the health effects of lead released for consultation
15 July 2014
https://www.nhmrc.gov.au/media/releases/2014/draft-paper-health-effects-lead-released-consultation
NHMRCはインフォメーションペーパー案「鉛のヒト健康影響についてのエビデンス」を発表した。このペーパーは本日同時に発表した最近の根拠についての独立した系統的レビューに基づき、専門家作業委員会が作成したものである。
主な知見は以下
・国の政策は環境への人為的鉛の導入を最小限にすることを継続すべきである
・低用量暴露で意味のある有害影響があるかどうかはわからないが、健康への有害影響がないことがわかっている「安全」な量はない
・血中鉛濃度が5 microg/dL以上の場合には何らかの追加の鉛暴露源があることを示す。それについては、特に小さい子どもと妊婦では、調査し減らすべきである。
・疑う理由が無い場合には個人が血中鉛濃度を調べる必要はない
鉛作業委員会の座長であるSophie Dwyer准教授は、このペーパーは5 microg/dLが安全レベルだと言っているのではない、と念を押す。
鉛は環境中に天然に存在する物質で、ヒトにとって有益であるという根拠はない。安全とみなせる量は存在しない。5 microg/dLは単に普通でない暴露源があることの調査を始める指標である。
意見募集は2014年9月14日まで。その後最終化され血中鉛濃度についての2009年NHMRC声明を改訂する。
案と提出先
NHMRC Draft Information Paper: evidence on the effects of lead on human health
http://consultations.nhmrc.gov.au/public_consultations/lead_on_human

オーストラリアではガソリンの鉛が禁止されたのは2002年
家庭用塗料の鉛は1965年は1% 、1992年は 0.25%、1997年は 0.1% に規制
暴露源は食器(クリスタルガラス、陶磁器)、鉛を含むあるいは塗料に鉛を含むおもちゃ、「伝統」薬、ジュエリー、化粧品、古い管、土壌、ダスト、カーテンのおもり、鉛の銃弾を使って狩った野生動物を食べる、など