食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 人気の本はヒトの進化研究を間違って提示している、と遺伝学者は言う

Natureニュース
Geneticists say popular book misrepresents research on human evolution
08 Aug 2014
http://blogs.nature.com/news/2014/08/geneticists-say-popular-book-misrepresents-research-on-human-evolution.html
6月にニューヨークのPenguin出版が発行した科学ジャーナリストNicholas Wadeの本“A Troublesome Inheritance“について、130人以上の集団遺伝学者が、この本の主張、世界の経済や政治や社会の違いの根底に遺伝子の違いがある、を批判している。この本は、例えば西洋の政府がアフリカ諸国の政府より安定しているのは遺伝子の違いによる、といったことを示唆して多くの科学者から批判されている。WadeはNew York Times, ScienceそしてNatureのスタッフレポーターであり編集者を経験している。
New York Timesに8月10日に発表される科学者からの抗議文書が珍しいのはWadeが引用している多くの科学者を含むこの分野の著名人の統一見解であるということである。彼らは彼らの知見がWadeの単なる推測の根拠に使われることを拒否する。
一方Wadeはこの文書は科学的ではなく政治的なもので署名した人たちの多くは本を読まずに偏った要約に反応している、と声明を発表している。

ScienceInsider
遺伝学者が人種と進化についての本を非難する
Geneticists decry book on race and evolution
8 August 2014
http://news.sciencemag.org/biology/2014/08/geneticists-decry-book-race-and-evolution
こっちはコメントがたくさんついている

  • ワインとスピリッツのフタル酸汚染:汚染物質の種類、汚染源、予防対策

Contamination of wines and spirits by phthalates: types of contaminants present, contamination sources and means of prevention
P. Chatonnet et al.,
Food Additives & Contaminants: Part A
DOI:10.1080/19440049.2014.941947
Published online: 07 Aug 2014
ヨーロッパで販売されているフランスワインや葡萄スピリッツの各種フタル酸含量を測定した。検出されなかったのはわずが17%、痕跡程度の検出が19%、最も多く検出されたのはフタル酸ジブチルで中央値は0.0587mg/kgであった。食品と接触する物質の特定移行限度(SML)が遵守されていないことが原因で、主にバット(桶)。

  • 医薬品や化学物質の毒性試験in vitro代替法についての専門家の知見

Expert insights on in vitro alternatives for drug and chemical toxicity testing
7-Aug-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-08/mali-eio080714.php
新しい雑誌Applied In Vitro Toxicologyに円卓会議の議論収載
Comments on How to Make the New Vision of Toxicity Testing in the 21st Century a Reality
http://online.liebertpub.com/doi/full/10.1089/aivt.2014.1501

  • A2ミルクはお腹の問題をおこしにくい:新しい研究

Choice(オーストラリアの商品検査雑誌)
A2 milk less likely to cause gastro problems: new study
11 Aug 2014
http://www.choice.com.au/media-and-news/consumer-news/news/a2-milk-less-likely-to-cause-gastro-problems-new-study-finds-081114.aspx
パースのCurtin 大学が8週間にわたって行った41人の男女での二重盲検無作為クロスオーバー試験で、1日750 mLのミルクを飲んだときの便の堅さや腹痛の報告が純粋A1タイプのほうが多かった。市販のミルクは普通A1とA2の混合物。
A2ミルクを売っている企業による研究。
(日本人で1日750 mL飲む人はそんなにいないと思うけれど)