食品安全情報blog過去記事

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塩の多い食事は160万人の心疾患による死亡と関連

High-salt diet linked to 1.6 million heart deaths
Thursday August 14 2014
http://www.nhs.uk/news/2014/08August/Pages/High-salt-diet-linked-to-over-million-heart-deaths.aspx
Daily Telegraphが「塩の多い食事が毎年世界で160万人の死亡の原因」と報道した。研究者の「世界では約10人に1人が心血管系疾患で死亡している」と言っているのを引用している。この恐ろしげな見出しは一部の真実を含むが、根拠となった科学は塩が原因だと証明したものではない。実際にはこのニュースのもとはモデル研究である。研究者が用いたデータは、塩の摂取量、塩と血圧の容量反応関係、血圧と心血管系死亡率の関連、死因別死亡数、である。2010年に世界での心血管系が原因の死亡のうちの165万人は1日2g以上のナトリウムを摂取したことによるとされた。1日2gのナトリウムは概ね1日5gの塩に相当し、英国では1日の塩の摂取量は6g未満と助言している。
しかしこの研究はナトリウムを減らせば死亡率が下がることを証明できない。この研究は現在の塩についての助言と概ね一致する。