食品安全情報blog過去記事

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科学助言についての大雑把なガイド−The Guardian

SMC
A rough guide to science advice – The Guardian
August 28th, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/08/28/a-rough-guide-to-science-advice-the-guardian/
オークランドで開催中の世界サイエンス週間の一部として行われる「政府への科学助言サミット」を前にGuardianが発表した記事
A rough guide to science advice
Wednesday 27 August 2014 07
http://www.theguardian.com/science/political-science/2014/aug/27/a-rough-guide-to-science-advice
科学的助言についての需要はかつてないほど高く論争も多い。オークランド会合の参加者は多様な助言システムの代表者であるが共通の教訓は導き出せる
1.モデルの多様性は政治文化の多様性を反映する
ハイレベル審議会や評議会、ナショナルアカデミー、主任科学助言者など、どれが完璧ということはない。システムは多様であるが課題は共通である:独立性の確保、政策決定者との信頼関係構築、透明性の維持、公衆や科学コミュニティに対する説明責任、質の確保。
2.助言は政治プロセスでの必要性とリズムに対応する必要がある
科学助言についての議論はしばしばサプライサイドに集中するが、必要なときも重要である(科学的根拠が出そろったから、ではなく。決めなければいけない時にデータがないから逃げる、では役にたたない)
3.「政策のための科学」と「科学のための政策」を区別することが重要
(研究者は「科学のための政策」ばかり主張しがち)
4.アドバイザーはしばしば仲介者、ブローカー、コミュニケーターとして働かなければならない
5.事実の提示だけでは価値観の相克を解決することはできない
6.効果的な助言にはますます学際的専門家が必要
7.科学アドバイザーは根拠に基づいた政策決定へ向けての広範な移行を協調して進めていく必要がある
8.異なるシステム間での情報交換と学習が必要

WHO report criticises e-cigarettes – experts respond
August 27th, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/08/27/e-cigarettes-experts-respond/
WHOが電子タバコのついての報告書を発表した。この報告では宣伝や若年者への販売、屋内使用を制限すべきであるとしている。現在ニュージーランドでは、禁煙に役立つという十分な根拠がないとして電子タバコの販売は認められていない。
UK とAUのSMCが専門家のコメントを集めた
Curtin大学健康政策教授で豪州喫煙と健康評議会会長のMike Daube教授
WHOの報告書は包括的で重要なものである。電子タバコについては注意が必要である。豪州で電子タバコを禁煙補助用に販売したい場合にはTGAに有効性と安全性についての根拠を提出しなければならない。従って近い将来豪州で電子タバコが販売されることはないだろう
Sydney大学公衆衛生学部Simon Chapman教授
電子タバコについては根拠のない噂が出回っている。これまで最良の最大の試験では電子タバコで禁煙を試みた80%は失敗している。タバコの本数を減らせば有害影響を減らせると考える人は多いが、禁煙に比べてほとんどメリットはない。最近の米国のデータでは一度も喫煙した経験のない子どもたちが電子タバコを使い始める数がここ数年で3倍になった。出回っている神話の中にニコチンはコーヒーと同じように害がないというものがある。本当ならなぜ推進者が妊婦には勧めないとしているのか?
King’s College Londonの精神医学研究所タバコ依存センターAnn McNeill教授
電子タバコ市場は急速に拡大していて多様な商品が出回っている。電子タバコにはタバコの煙に含まれる発がん物質は含まれず暴露量は少ない。電子タバコ受動喫煙による有害影響の根拠はない。WHOの電子タバコ規制案については電子タバコを利用して禁煙しようとしている人たちに利用できなくなることを懸念している。禁煙の努力はどんなものでも奨励したい。