食品安全情報blog過去記事

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果物の化合物は臓器の傷害を予防するかもしれない

Behind the headlines
Fruit chemical may prevent organ damage
Thursday November 6 2014
http://www.nhs.uk/news/2014/11November/Pages/Fruit-chemical-may-prevent-organ-damage.aspx
Daily Mailが「果物は心臓発作患者を救えるか?化学物質を注射することでこの重要な臓器のダメージを減らし生存率を上げる」と報道した。それに「少なくとも齧歯類では」と付け加えるべきであろう。
心臓発作や脳卒中で臓器が突然酸素不足になったとき(虚血)、相当な傷害がおこる可能性がある。血流が再開したときにさらに傷つく。これまでその傷害の正確な原因はわかっていない。動物実験で研究者らはその原因をつきとめたかもしれない。コハク酸と呼ばれる化合物が増えた結果である可能性がある。コハク酸が酸素分子と相互作用して細胞を傷つける活性酸素種を作る。研究者らはマウスの心臓虚血と脳虚血時のコハク酸の生成量をマロン酸ジメチルと呼ばれる化合物を注入することで抑制できた。その結果血流が戻ったときの心臓と脳の組織傷害が減った。
応用の可能性はあるもののヒト試験で有効性と安全性を確認しなければならない。