食品安全情報blog過去記事

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食事錠剤が身体を騙して痩せられる?

Behind the headlines
Could meal-in-a-pill 'trick' body into losing weight?
http://www.nhs.uk/news/2015/01January/Pages/Could-meal-in-a-pill-trick-body-into-losing-weight.aspx
Guardianが「減量薬が身体を食べものを食べたかのように騙す」と報道した。この薬物フェキサラミン (またはFex)は、マウスでのみ調べられているが、身体が食事をすると活性化されるタンパク質を刺激する。Faxを与えた肥満マウスは同じ量の高脂肪食を食べ続けているが体重は変わらなかった。しかし一部のメディアが報道しているような体重減少はない。正常体重マウスには影響がなかった。刺激されるタンパク質であるFXR(ファルネソイドX受容体)は多くの臓器に存在し代謝に複雑な役割を果たすが完全にわかっているわけではない。このタンパク質を活性化するこれまで開発された薬物は血流にのって全ての臓器で働くため矛盾する結果を出している。そこでFexは吸収されないように、腸のFXRにのみ働くように開発された。これにより肥満マウスでは良い結果になり副作用リスクも減った。ヒト試験を行うにはさらに動物や霊長類での研究が必要であろう。期待は持てるが医薬品として市場に出るまでには最低でも5-10年はかかる。