食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 体重減も体重増も骨折リスク増加に関連する

Both weight loss and weight gain linked with increased fracture risk
27-Jan-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-01/bmj-bwl012315.php
BMJ。Women's Health Initiative Observational Study and Clincial Trialsに参加した12万人以上の健康な閉経後女性のデータを解析した。1993年から98年に50-79才だった女性を平均11年フォローしている。5%以上の体重変化があったヒトを増えたあるいは減ったと分類。体重が減ることと股関節骨折の65%、腕の骨折9%、体中心部骨折30%の増加が関連した。体重増加は腕の骨折10%足の骨折18%の増加に関連した。
(骨に関しては体重が減る方が日常生活に支障のある重大な骨折リスクを伴う)

  • ヘロイン使用者の死亡について過去最大規模の研究で年齢が問題

Age concern in largest ever study of heroin user deaths
27-Jan-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-01/uom-aci012715.php
2005年から2009年の間にイングランドで薬物治療や刑事司法制度に記録された198247人のデータを用いた解析。3974人の死亡が記録されていてオピオイドの使用者は一般の人々に比べて早期死亡が6倍多い。死因の1/10は自殺で一般人の4倍以上。年齢毎の傾向も解析し、最も高齢である45-64才の年齢集団では一般人の27倍殺人が多い。死因で多いのは薬物中毒で高齢になるほど増える。Drug and Alcohol Dependenceに発表。
オピオイドの使用者はこの新しい情報を聞く必要がある

  • ヒトはイヌをしのぐ:BPA暴露についての初期の想定が確認された

Man trumps dog: Earlier assumption about BPA exposure confirmed
27-Jan-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-01/dnnl-mtd012715.php
新しいヒトでの実験は経口暴露によりBPAの高濃度暴露リスクにはならないことを示した
スープのようなBPAコートされた食品を口に入れても血中BPA濃度は予想より高くはならないことをToxicology and Applied Pharmacologyに発表された研究が示した。BPAについての懸念は高濃度ではある種のホルモンに類似する作用があることだが、最近1ヶ月以内でEFSAとFDAは食品包装材に使われているBPAは安全であるという初期の決定を再確認した。
しかし2013年のイヌでの研究が、食品や飲料由来BPAがどれだけ人体にはいるかについての推定が間違っている可能性を指摘していた。イヌの研究の著者は寝ているビーグルの舌に高濃度BPA溶液を長時間おいて血中活性型BPA濃度が齧歯類や霊長類、ヒトでこれまで報告されているより高いとして規制機関の決定に疑問を提示した。これをヒトで確認するために、ボランティア10人に標識BPAを含む温めたトマトスープを食べてもらって24時間血液と尿を複数回採取した。このような形で口の中をいっぱいにしてもBPAの活性型の血中濃度は高くならなかった。他の全てのヒト実験同様、人体は1000分子のBPAのうち998を不活性化する。BPAは24時間以内に尿中排泄され蓄積しない。
24-hour human urine and serum profiles of bisphenol A: Evidence against sublingual absorption following ingestion in soup
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0041008X15000198#MMCvFirst
FDAのラボで実験している。経口っていうか肝臓を経由しない部分の寄与を調べている。舌下錠でもないかぎり普通は無視していいくらいの寄与しかない。しかし何故BPAにだけここまで資源を費やさなければならないのか)