食品安全情報blog過去記事

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BMJによる砂糖と企業と公衆衛生についての調査への専門家の反応

SMC
expert reaction to BMJ investigation into sugar, industry and public health
February 11, 2015
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-bmj-investigation-into-sugar-industry-and-public-health/
Oxford大学食事と集団の健康教授Susan Jebb
Jonathan Gornallによる記事は、私の主導する研究プロジェクトに企業がお金を出すことが公衆衛生上の役割を損なうことを示唆しているが、そのことを支持する根拠を何一つ提供していない。この報告で私が関与した研究で企業からの資金提供があったものを並べているが、そのどれ一つとして砂糖と健康についてのものではない。いずれも私が公衆衛生Responsibility Dealの座長を務める前に終わっている。これらのプロジェクトから個人的報酬をもらったことはない。全ては研究所の企業との共同研究についての取り決めのもとで行われた。
(以下個別研究についての詳細略。必ずしも企業にとって都合の良い結果は出ていない)
英国栄養士会広報担当Catherine Collins
栄養士として私はピアレビューのある雑誌に発表された質の高いヒト臨床試験の結果に頼っている。だからJonathan Gornallによる暴露にとまどっている−関連があるということについてではなく、企業と研究者が協力した研究は否定すべきだとジャーナリストが考えていることについて。お金を出したことについて公開し、臨床試験開始前に登録し、研究の後はピアレビューを行う、ということではまだ不適切なのだろうか?
MRC政策部長Frances Rawle博士
我々はお金をもらった研究が全て、慈善団体だろうと企業だろうと出資者からの影響を受けないように確保している。我々は研究者が企業と協力することを薦めているし、適切であれば企業と一緒に独立した研究者の研究にお金を出す。
食品や食生活に関するどんな宣伝も質の高い根拠が必要であり、MRCの全ての研究同様、我々の目標は最良の科学を提供することである。
食品研究所所長代理Richard Mithen教授
公共の目的のために大学や公的研究所が企業と建設的に協力することは全く適切である。現在の運用は資金源を開示し利益相反を開示することである。参加している研究プロジェクトの資金の一部が企業から出ていることが開示されているからといって科学者個人の不正であるかのように仄めかすのは全く正当ではない。
King’s College London栄養名誉教授Tom Sanders
栄養コミュニティーの科学者は比較的少数で食品企業は英国のビジネスの多くを占める。食品企業が最良の栄養科学者の助言を求め彼らに研究を委託するのは不合理ではない。
SACNの専門家は全て利益相反を開示している。BMJの記事は食品企業と全く関係のない科学者のみで委員会を作れと示唆しているが、私の経験ではそのような人には必要な専門性がなく無能である可能性が高い。
政府の助言委員会が食品企業からの研究費支援で「曲がっている」という主張は有害で、科学に基づかない政治的意向による。
Cambridge大学医学部臨床生化学教授Stephen O’Rahilly
大学の研究者が食品企業と接触があれば自動的に汚職とみなされることは科学と公衆衛生にとって打撃となるだろう。企業と大学の研究者には長い協力の歴史があり、多くの公衆衛生上の利益を生み出してきた。研究費用の負担だけでなくデータや経験の共有は仕事を強化する。しかしながらこの関係は科学者が自由に結果を解釈したり書いたりできることによる。この自由にこそ監視が必要である。
Oxford大学からの声明
Oxford大学の研究は資金提供者とは独立で行われている。資金提供者は研究に影響を与えることができない。消費者ブランドはしばしば研究費を提供しているが、結果には影響を与えられない。結果が企業にとって好ましかろうが都合が悪かろうが、科学者は結果をいつものようにピアレビューのある雑誌に発表する。