食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 性の再定義

Nature特集
Sex redefined
Claire Ainsworth 18 February 2015
http://www.nature.com/news/sex-redefined-1.16943
性が二つという考えは単純化しすぎである。生物学者は今やそれより広いスペクトルがあると考えている。
臨床遺伝学者Paul Jamesは2010年初め極めて難しい性についての会話をすることになった。メルボルンの病院に46才の妊娠女性が羊水検査の結果を聞きにきた。赤ちゃんは問題なかったが、その後の検査で母親について驚くべきことがわかる。彼女の身体は二人の個人の細胞からなり、多分双子の胚が子宮内で融合したのだろう。そして一組はXXで女性、もう一組はXYで男性である。彼女は三番目の子どもを妊娠して初めて彼女の身体の大部分が染色体上男性であることを知ったのである。
性は最初に考えられていたほど単純ではなく性の境界は曖昧である。
生物学者の性に関する見解は微妙になっているが社会はまだそれに追いついていない。性的指向については社会は柔軟になってきているが性については二つしかないと考える圧力が強い。
(何故こういうニュースが気になるかというと環境ホルモン騒動のせい。男らしさとか女らしさとされるものが少しでも揺らぐことがそんなに「悪いこと」なのかと。)

  • いかにしてワクチンの安全性問題を報道しないか、Toronto Star版

Science based medicine
How not to report about vaccine safety issues, Toronto Star edition
Posted by David Gorski on February 16, 2015
http://www.sciencebasedmedicine.org/how-not-to-report-about-vaccine-safety-issues-toronto-star-edition/?utm_source=twitterfeed&utm_medium=facebook
Toronto Starの目を引く見出し「素晴らしい医薬品のダークサイド」を良く覚えている。この場合「素晴らしい医薬品wonder drug」とはGardasilのことでまるで反ワクチン団体のホームページにあるような動画もついていた。この記事ではKaitlyn Armstrongという少女がワクチン接種後に病気になったという話が記されている。その内容は反ワクチンドキュメンタリーThe Greater Goodでの「犠牲者」Gabi Swankの話とよく似ている。どちらも批判的吟味はされていない。
Starの記事はご覧のように激しい批判を受けている。
ここではStarはどこで間違っていたのかを書く。
まず最初に、Kaitlyn Armstrongの逸話を額面通りに受け取ったことが間違いである。13才の彼女はGardasilの3回目の注射後に全身に痛みが広がったと主張しているが、彼女の病気は繊維筋痛症で、この病気の診断は難しく時間がかかる。彼女は最初病気で苦しんでいるときには何が原因かはわからなかったが、ナチュロパスがワクチンが原因だと判断したらしい。ナチュロパスは彼女の血中金属濃度が高いと言い、ワクチンにはアルミニウムが含まれているといった。この話からは繊維筋痛症の診断に医師が苦労している時に、辛い状況をなんとかしようとした患者がナチュロパスに頼ったという良くある話が浮かび上がってくる。ナチュロパスは通常反ワクチンである。そして彼女は現在「デトックス」治療を受けている。そして彼女の血中金属濃度が高いとされた検査は、読者にはおなじみの、インチキとして悪名高い誘発尿検査である。
Kaitlyn Armstrongは非常に気の毒だと思う。慢性の痛みを伴う病気になっただけでなくナチュロパスの詐欺のウサギの巣穴に落ちてしまったことについて。
(以下他の症例やヘルスカナダの有害事象報告の誤用などについて長い記事。コメントもたくさん。どこかで聞いたような話)

  • 医療専門家は政府がホメオパシー「ワクチン」を認めていることを批判

Health experts criticize government approval of homeopathic ‘vaccines’
The Globe and Mail
Published Wednesday, Feb. 18 2015
http://www.theglobeandmail.com/life/health-and-fitness/health/health-experts-criticize-government-approval-of-homeopathic-vaccines/article23064779/
連邦政府に対するいわゆる「ホメオパシーワクチン」を禁止するようにという圧力が高まっている。ホメオパスやナチュロパスがノソードを安全で効果的なワクチン代用品として宣伝している。ヘルスカナダは多数の製品の販売を認めているがワクチン代用品と宣伝することを禁じている。しかし多くのカナダのナチュラルヘルスプラクティショナーは規則を無視してはしかやインフルエンザ予防にと宣伝している。はしか症例が全国で増えるに従って医療の専門家はワクチンキャンペーンを損なうものとして政府に対応を求めている。
今週Globe and Mailが多くの免許をもったナチュロパスやカイロプラクターがワクチンについての虚偽の情報を宣伝していると報道した後、水曜日にオンタリオのナチュロパスを規制しているboard of directors of Drugless Therapy – Naturopathyが会員に対してノソードをワクチン代用品として宣伝しないよう、ワクチンについて虚偽の情報を拡散しないよう警告文書を送付した。
ヘルスカナダはノソードにワクチン代用品ではないと警告表示を求めているというが、専門家はノソードにはワクチン代用品以外の使用方法がないと指摘する。

  • 幼児がマリファナクッキー過剰投与になりカナダ連邦警察は父親を告発

Toddler overdoses on marijuana cookies, RCMP charge dad
CBC News Posted: Feb 18, 2015
http://www.cbc.ca/news/canada/saskatchewan/toddler-overdoses-on-marijuana-cookies-rcmp-charge-dad-1.2962759
20ヶ月の子どもがマリファナ入りクッキーで薬物中毒になり、36才の父親が告発された。
クッキーの写真
http://www.torontosun.com/2015/02/18/dad-charged-after-young-son-overdoses-on-marijuana-cookies

  • 大麻:期待、リスク、そして論争

BBC
Cannabis: Promise, risk and controversy
18 February 2015
http://www.bbc.com/news/science-environment-31518546
(注目度が高い)